こんにちは!有水愛佳です。緊急事態宣言が解除されましたが、皆さんは元気に過ごしていますか?みんなに会えるが楽しみです!!
今回は、「子どもの本当の力を引き出す!」という本を読みました。
体操教室を通して子どもの個性や得意なことなどをもっと伸ばしていくことが出来たら、子どもたちにとってさらに良い場所になるのではないかと思い、この本を選びました。
本には『モンテッソーリ教育』を基に幼児期の育て方や考えが書いてありました。
子育ての内容がほとんどでしたが、私が本を読んで、改めて考えたこと、感じたこと、体操教室でも活かせることなど、本文を交えながら書いていきたいと思います。
~まず、モンテッソーリ教育について~
イタリア初の女性医師、マリア・モンテッソーリが創始者。
この医師であるというところが、他の教育法との最大の違いなのです。多くの教育法が様々な子育ての経験の積み重ねから生まれてきていることが多いのに対して、モンテッソーリ教育は、医学、生物学、心理学といった幅広い学問の土台の上に成り立っていることが特徴です。
モンテッソーリ教育は、
『子どもが自分の力で自分を育てる「自己教育力」を信じ、援助することにより、「自立」と「自律」をうながす教育』です。
●教具
モンテッソーリ教育といえば、カラフルな「教具」を思い浮かべる方が多いかもしれません。
元々はイタールとセガンの2人が知的障害者の教育のために作った道具をモンテッソーリが健常者にも活用したのが「教具」の始まりです。
「教具」は、子どもの成長ごとに分けられ、目的を一つに絞って作られています。
子どもが自分から手に取り、楽しく繰り返し、成長を援助できるものが教具だそうです。
本には、教具の条件が書かれていました。
1 子どもサイズであること
2 美しく魅力的で、興味をひくこと
3 単純で目的がよくわかること
4 難しいポイントは一つだけに絞られている
5 次の成長のステップにつながっている
6 子ども自身が自分で間違ったことに気づけるようになっている
この6つの条件を理解することでお家でも簡単に「教具」を作れるそうです。作った「教具」の例がこちらです。
この6つの条件は体操教室でも活かせている、また、活かせるなと思いました。
①は、器具の高さや大きさ。②は、カラフルな器具やBOXを積み上げた時などの色の配置。③・④は、授業内の内容やポイントの伝え方、器具の使い方。⑤は、行っている運動がどんな技につながるのか。⑥は、体操教室で活かすには少し難しいかなと思いましたが、アドバイスや褒めることで、気づくことができると思いました。
どれも授業を行う上で、意識はしていますが、今以上に「何回でもやりたい!」「楽しい!」と子どもたちに思ってもらえるように、この6つの条件を頭に入れながら授業を進めていきたいです。
●3つのM
1、「見ていてね」のM
子どもの目の前でやって見せるということ。この時の注意点は、「ゆっくりやる」「スローモーションで見せる」ということ。子どもの視覚でものをとらえるスピードや何かを理解する速度は、大人の8倍のスピードになっているのです。
動くものを的確にとらえる動体視力が育つのは6歳以降だと言われているので、なるべくゆっくり見せるように心がける。
そして、見せるときは見せるだけに徹する。子どもは、二つの機能を同時に動かすことができない。
・子どものものをとらえるスピードが、大人にとっての8倍、ということに驚きました。教室では、見本を見せる機会が沢山あるので、普通のスピードバージョンとスローモーションバージョンの2つができると、実際の速さがどのくらいか、どんな風にやったらいいのか、が子どもにわかりやすくなると私は考えました。なので、この2バージョンを意識していきたいと思います。
2、「待っていてね」のM
やっているところを見せていると、途中で子どもは手を出してきます。そのときには「待っていてね」と言って待たせ、最後まで見せることが大切です。やりたい気持ちをぐっと抑えさせるのです。待っている間に、子どもの心の中はやりたい気持ちでいっぱいになります。(ここがとても大切で、一番難しい所です)。
これが「自分でやることを選ぶ」ことにつながりますし、待つことのできる子に育てることになります。
・私は、「子どものやりたい気持ちを待たせる」ということに驚きました。私の中では、子どものやりたい気持ちが出た時にやってほしいと考えていました。「待たせる」のにはいろいろな場面や状況によってできたり、できなかったりがあると思いますが、「自分でやることを選ぶ」「待つことができる」ことを身につけるための機会であることを頭にいれていこうと思います。
3、「もう一度やるから見ていてね」のM
見せて、待たせてやっと子どもにさせるのですが、初めてのことですから、うまくいかずに失敗することが多いわけです。
そこで親がやりがちなのが、「ここはこうやって、こうやって」と親の手でやり直してしまったり、手は出さないけど、「あー、そこ、ダメダメダメ」と口で修正してしまうことです。でも、それはNGです。
子どもにもプライドがあり、頭から言葉で否定されると傷つきます。また、口で言われても、なぜうまくいかなかったのか理解できないのです。では、どう教えればいいのでしょうか?
正解は、「もう一度やるから見ていてね」と言って、最初と同じことをやって見せるのです。決して「訂正しながら、教えない」こと。「教えながら、教える」のです。
特に子どもがつまずいている箇所は、意識的にゆっくりと、やって見せることがポイントです。もう一度やって見せて、自分のやり方のどこが違うのかということを「自分で気づかせる」ことが重要なのです。
・「自分で気づかせる」ことが重要。とありましたが、私自身もこのことはすごく重要だし大切なことだと考えています。授業内でも見本をしますが、言葉で説明するよりも子どもたちの飲み込みが早かったり、良い見本と悪い見本を見せることで、違いも分かりやすいのではないかと考えているからです。他には、とび箱の台上前転やマットの側転など、膝が曲がりやすかったり、曲がっていることに気づかないことがよくあります。この時にわざと曲げてやってみたり、動きの途中で止めて、曲げ伸ばしをすることで、自分で違いに気づくことができます。こちらの方が私は、口で指摘するよりもはるかに理解が早いように思います。また、自分で気づくことができると、嬉しいし、もっとやってみたくなると思いました。さらにそうすることで、能力や経験も伸ばしていくことができ、子どもの力を引き出すことができるのではないかと考えました。
「教具の6つの条件」や、「3つのM」で、私の感じたこと、考えたことなどを書いてきましたが、ほとんどがすでに実践していることでした。が、「どうしてそれがいいのか」「子どもの特性」など、理由や特性を知ることでより子どもたちに伝わったり、もっと子どもの能力を引き出すことができると思いました。
この本を読んでみて、指導者として、技の運動の仕組みを考えるのと同じぐらい、子どもの特性についても今以上に理解を深めていくことが必要だと考えることができました。
子どもたちの個性や得意なことなどを伸ばしていける指導者、場所、を目指していきたいと思います。