HOME > スタッフブログ > 『「のび太」という生きかた』

スタッフブログ

2020.11.01
『「のび太」という生きかた』
こんにちは。牧優花です!
いつの間にか季節はすっかり秋模様になってきました。食欲の秋、読書の秋、スポーツの秋・・・楽しみの多い季節ですね!健康面には十分に気をつけ、毎日よく食べ、よく遊び、楽しくたくさん体を動かしましょう!!

さて、今回私が読んだ本は『「のび太」という生きかた』という本です。本の表紙に「あきらめグセのあった息子が投げ出さずに頑張るようになりました」「のび太のすなおさや、人へのやさしさを見習いたいです」「親子で読みたい本」と書いてあり、指導者としても子どもたちに伝えれる事があるのではないかと思い、この本を選びました。



 皆さんも『ドラえもん』に出てくるのび太の事は知ってると思います。のび太は、勉強はクラスでずっと最下位で、野球の打率は0.01などスポーツも大の苦手な冴えない男の子です。ジャイアンやスネ夫をはじめ、他の子どもたちからいじめられてばかり・・・。のび太のママや担任の先生からも、叱られるのはもはや日常茶飯事です。そんな、何もかもうまくいっていない印象の「ダメのび太」ですが、作者の横山奏行さんは、『のび太という男の子は、実は想像以上に人生を上手に歩んでいるのでいるのではないか』と考え、『のび太は、人生の勝ち組であった』と言われています。そんなのび太エピソードの中で印象に残った一部を紹介します。

●失敗があるからこそ、夢に近づくことができる
 のび太は何かトラブルが起きるとドラえもんに助けてもらっているイメージがあったのですが、本を読んでみるとただ助けてもらっているだけではないという事が分かりました。
 苦手意識が強いことや嫌だなと思うことは、ついつい先延ばすことがあります。しかし、のび太は最終的には、次々と起こるトラブルにひとつひとつ対応し、乗り越えます。諦めずに目の前の問題を解決しようとする原動力は、ひみつ道具の助けによって苦手な課題を克服した経験がたくさんあり、そのときどきで爽快感や達成感を経験しているからです。
 のび太の失敗を恐れず、諦めずに何度も立ち向かう姿はとてもかっこいいですね。失敗から、自分に合ったやり方が見つかり、学ぶ事が増えます。失敗したら、再チャレンジ!!その積み重ねが「できた!」「できる!」に繋がります。ひみつ道具の様に子どもたちをアプローチできる存在になりたいと思います。

●夢は口に出して、周りに知らせる
 のび太が夢を叶えれられるのは、絶えずその夢に向かって突き進んでいるからです。迷いがあったり、他のことに気を取られたりはしません。夢をただ頭の中でぼんやり考えるだけではなく、自己宣言していることです。いつもドラえもんに相談しているのび太のように、他の誰かに積極的に話してみるのが重要です。誰かに話すことによって、貴重なアドバイスや応援を得る可能性が増えてきます。

●ドラえもんは、あなたにもいる
辛いとき、悲しいとき、くじけそうなとき、「ドラえもんがいてくれたらな・・・」と、一度は思ったことがあるのではないでしょうか?でも、ドラえもんの代わりになるものは、いくらでも見つけることができるのです。
・幸せになった自分の姿を想像する。
・目標から逆算して、今すべきことを洗い出す。
・周囲からの期待を思い出す。
・励まされた体験を思い出す。
・夢や冒険に憧れ続け、頑張る心を元気にする。

 励まされた体験を思い出すに書かれていたエピソードが私の中で一番印象に残っています。
「あの日あの時あのダルマ」
 のび太が庭で転んで泣いていたときに、おばあちゃんが、「のびちゃん。ダルマさんはえらいね。なんべんころんでも、泣かないでおきるもんね。のびちゃんも、だるまさんみたいになってくれるとうれしいな。ころんでもころんでもひとりでおっきできるつよい子になってくれると・・・、おばあちゃん、とっても安心なんだけどな」とのび太に言うと、彼はおばあちゃんに「ぼくはダルマになる」と約束します。「ぼくひとりでおきるよ。これからも、何度も何度もころぶだろうけど・・・。かならず、おきるから安心してね、おばあちゃん」と誓うのでした。

 おばあちゃんとのび太の気持ちがとても伝わり、ダルマでの表現が分かりやすく、心に響きました。過去に体験した鮮明な記憶は、ときには未来を先導するような動きをすることがあります。のび太にとって、楽しく幸せにおばあちゃんと過ごしていた日々が生涯二度と忘れることのできない温かい思い出として、しっかりと心に刻まれることができたのです。
 人は何度も何度も挫けそうな経験をすると思います。そんな時に私はこの文を思い出すと思います。誰かの一言、励まされたことを思い出して勇気が湧いてきたり、最大のエネルギーになるのです。通ってくれている子どもたちがそういった場面に遭遇した時に、「体操の先生があんなこと言ってな〜」と思い出してまた突き進めるように10個のテーマや子どもたち一人一人の良さを伝えていきます。

最初は指導者として伝えれることがあるのではないかと思いこの本を選びましたが、読んでみると自分自身にも必要なことが多く書かれていました。選択肢はたくさんあります。失敗を恐れてやらないのではなく、まずはやってみる!挑戦する!といった気持ちや行動は子どもたちだけではなく、大人になった今でも大切なことだと改めて感じました。そういった気持ちを大事にしていきたいです。また、のび太のように素直で優しい人になりたいと思いました。技術面はもちろんのこと、気持ちの面でも後押ししていけるようにこれからも頑張ります。