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スタッフブログ

2015.11.30
『自尊心とやり抜く力』
11月も終わりに近づき、より寒くなりました。
体育館も寒くなってきたな~と感じながら授業を覗くとまだまだ汗だくの子どもたち・・皆、すごく元気で頑張っています。

私は、というと最近ランニングを始めました。体操教室の先生ながら運動とは程遠い生活の日々ですが、健康の為、目標の為、体型改善の為・・自分のミッションと運動は密接しています。しかし今まで環境のせいにして先延ばしにしていました。やっと重い腰をあげたところです。それにしても、運動を一番に考えて時間をいれるのは難しい・・とにかく続けられるように考えなければなりません。

先日、年少の娘が「なんで毎日勉強しないといけないの?」と聞いてきました。じっと座って絵を描いたり、字を書くのが好きな子だったので夏頃から公文をやっています。続けることの大切さ、できる楽しさ、達成感、自信など、毎日やることで色々感じてくれればいいなと思って始めてみましたが、親になればいつかは聞かれるかな~と思っていた質問が、思ったより早い時期に来た!!とちょっとビックリしてしまいました。
学ぶことの大切さを少しずつ伝えていかないとダメだね~と主人と話しながら、慌ただしい生活の中で毎日一緒に座ってさせる大変さを感じています。わが子は本当にやる気スイッチを押すのが難しい・・ダメだなぁと思いながらもほめて怒ってを繰り返しています。


最近、『「学力」の経済学』という面白い本を読みました。
その本に教育経済学の観点からとても興味があることが書かれていました。
・ご褒美で釣っても「よい」
・褒め育てしては「いけない」

人は目先の利益や満足をつい優先してしまうという性質があり、遠い将来の事は冷静に賢い選択ができても、近い将来のことだと、たとえ小さくてもすぐに得られる満足を大切にしてしまうらしいのです。
子どもにすぐに得られるご褒美を与える「目の前ににんじん」作戦は、子どもを今勉強するように仕向け、勉強することを先送りさせないという戦略になり、「テストでよい点を取ったらご褒美をあげる」より「本を読んだらご褒美」「宿題をしたらご褒美」という、遠い将来より近い将来にご褒美を与えるのが功を奏するそうです。

そして、ほめて育てるのが悪いのではなく、重要なのはほめ方に気をつけること。子どもをほめる時には「あなたはやればできるのよ」「頭がいいわね」など、もともとの能力をほめるのではなく、「今日は1時間も勉強できたんだね」「よく頑張ったね」など、具体的に子どもが達成した内容や努力をほめる。そうすることによって、さらなる努力を引き出し、難しいことでも挑戦しようとする子どもに育つことができるそうです。

成績が悪かった子どもに「あなたはやればできるのよ」などといって、むやみやたらにほめると、実力の伴わないナルシストを育てることになりかねない。
バウマイスター教授は「自尊心の高い子どもは学力が高いのではなく、学力が高いという原因が自尊心が高いという結果をもたらす。」と結論づけました。つまり結果こそが自尊心を育てるということでしょうか。

子どもをほめて育てると、自分に自信を持ち、自尊心の高いさまざまなことにチャレンジできる子どもに育つと言われています。子どもの努力や内容を見逃さず、ほめ方にも気を配りたいと思いました。

自尊心とは、自分の人格を大切にする気持ち。また、自分の思想や言動などに自信を持ち、他からの干渉を排除する態度。プライド。日本人は他の国の人たちに比べて自尊心が低いとよく聞きます。
私も学生の頃は特に自尊心が低く、大人になってから少しずつ自分が好きだと言えるようになりました。だからこそ「自分らしく」が自分の好きな言葉でもありテーマでもあります。
自分の子どもにも自分に自信を持つ、自分を大切にする人になってほしいと思っています。

さらに、やり抜く力も身につけてほしいです。
やり抜く力とは「非常に遠い先にあるゴールに向けて、興味を失わず、努力し続けることができる気質」。才能があってもやり抜く力がないために、成功に至らない人がいるとよく耳にします。

この本には「やり抜く力」を伸ばすためには「心の持ちよう」が大切であるとも書かれています。
「しなやかな心を持つ」「自分のもともとの能力は生まれつきのものではなく、努力によって後天的に伸ばすことができる」ということを信じる子どもはやり抜く力が強い事がわかっています。親や教師から定期的にそのようなメッセージを伝えられた子どもたちは「しなやかな心」を手に入れ、「やり抜く力」が強くなる。


小さい頃からやり抜く力を身につけることが、将来いずれの状況でも頑張れる確率が高いのではないでしょうか。子どもがしなやかな心を持てるよう、努力し続けることができるようにサポートができる親、指導者でありたいです。

米田功体操クラブでも、子どもたちのよいところを見つけてほめてプラスの言葉で伸ばしたいと思っています。小さな「できた」をたくさん作って自信に変えてほしいと思っています。大好きなことを見つけて続けていってほしいと思っています。

私自身のミッションにも「目の前ににんじん」作戦は効果的のようです。
ちょっとしたご褒美を自分に与えながら、将来のために頑張りたいですね。

米田真美