暑い日々が続きます。
皆さん、この夏をいかがお過ごしでしょうか。
先日、中村先生が「痩せましたね!」と保護者の方に言っていただいたらしく、自慢げに話していました。年明けにブログでも走る宣言をし、携帯電話でも体重表を付けて頑張っている中村先生には、とても嬉しいプラスのストロークだったようです。保護者の皆さんには、子どもたちだけでなく、指導者の変化も温かく見守っていただいているようです。
さて、前回のブログで『ストローク』について書きました。
ストロークとは「相手の存在や価値を認めるような様々な刺激」のことで、肯定的なストローク(プラスのストローク)と否定的なストローク(マイナスのストローク)があります。
たくさんの肯定的なストロークの飛び交う、そんな教室を日々目指していきたい・・と思っていますが、肯定的なストロークであれば何でも良いのか・・というと実はそうでもありません。
今回は、肯定的なストローク(プラスのストローク)について、もう少し考えてみようと思います。
肯定的なストロークの中には、「条件付きのストローク」と「無条件のストローク」があります。条件付きのストロークとは、相手の行動に対するプラスのストロークで、何らかの条件を満たされた時に与えられるものです。「おとなしいから好きだ」「成績が良かったら好きな物を買ってあげる」「言ったことができたから褒める」「仕事ができるから必要だ」など相手の行為に対して送るストロークです。
一方、無条件のプラスのストロークとは「あなたは大切な人」「いてくれるだけで幸せ」など、相手の存在そのものへ送るストロークです。相手の人格と存在そのものに与えられるものです。この無条件のプラスのストロークは、相手の成長を促し、相手に自己重要感を与えるといいます。
目標達成の時に投げかける言葉は条件付きのストロークになります。
体操教室でも色々な目標を持って指導しています。ルールを守れる子どもになってほしい、人の話が聞けるようになってほしい、できる喜びを味わってほしい、興味を持ってほしい、頑張る力を身につけてほしい・・など、色々な願望があるからです。
保護者の方も、「自分の子どもにはこうなってほしい」という思いを込めて日々接しているのではないでしょうか。
頑張る力、集中力を身につけることはとても大切なことです。
目標を持つ、将来に向けて導く言葉掛け。
とても重要なことですが、これらはほとんどが条件付きのストロークになります。
この条件付きのストロークばかり受け続けると、いくら褒められているとは言っても、人は自分の考えや行動に自信が持てずに、相手の評価ばかり気にして行動するというパターンが生まれてしまう場合があります。結果、自分の存在価値に自信が持てなくなり、自己重要感の低い人になりがちです。常に他人の評価が気になり、他人の評価のために頑張って自分を見失う・・という感じです。また反抗的になる可能性もあります。
そして、この条件付きのストロークばかり得ていると、人は怒られても関心を持ってもらいたいと思い、否定的なストロークを受けようとし始める場合もあります。
相手が自分にとって好ましい行動をした時にだけ、プラスのストロークを与えることは、自分にとって都合のいい行動をさせコントロールするために行うストロークになってしまいます。
プラスのストロークでも、条件付きのストロークばかりになってしまって、無条件のストロークが疎かになっていないかということを常に考えなければいけません。
そう考えると、無条件のストロークは意識して最大限に相手に表さなければなりません。
体操教室でも、まずは子どもたち一人一人の存在を大切に思い、一人一人の個性を見抜き無条件のストロークを送ること。目標が達成できなくても相手を認めることが大切です。
そして体操教室の中で子どもたちに伝えていきたいこと、伝えるべきことをきちんと指導していく。
こういった色々なプラスのストロークの飛び交う教室を目指していきたいです。
身近な人にどのように無条件のストロークを送るか・・
条件付きのストロークばかりになっていないか・・考えてみましょう。
瀬尾真美