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スタッフブログ

2024.08.05
『さみしい夜にはペンを持て』
みなさんこんにちは。
わたる先生です。

連日暑い日が続き、パリオリンピックも熱い激闘が繰り広げられていますね。
先日の体操男子団体総合の大逆転での優勝は本当に胸が熱くなりました。


そして、いつも教室で子どもたちに伝えている10個のテーマを、日本チームがオリンピックという舞台の上で見せつけてくれたように思います。

・「金メダルをとります!」【目標を持って練習する】・【夢を宣言する】

・エース橋本選手のあん馬での失敗に対して、キャプテン萱選手が力強く投げかけていた【プラスの言葉】
「大丈夫!」
「まだここから!」
「絶対勝てる!」
「繋ぐよ!」

・橋本選手が次の出番の跳馬ではしっかり大技を成功させる【失敗しても下を向かない】

・チームのメンバー誰1人【最後まで諦めない】で声を出して自分たちの演技をやり切る

・日本チーム、ライバルの中国チームに限らず、出場選手全員が【全力で頑張る】姿があるからこそ
応援したくなる
最高級の感動が生まれる

オリンピックの大会結果に感動・興奮をしながらも、改めてクラブが大切にしているテーマを、体操教室を通して子どもたちにしっかりと伝えていきたいな、と感じました。

オリンピック熱に刺激されながら、子どもたちと暑い夏を乗り越えたいと思います!



さて、今回私は
【さみしい夜にはペンを持て】 著:古賀史健
という本を読みました。
今回の本を選んだ理由は、『内容』で興味を持ったものではなく、『誰が書いたのか』によって決定しました。
著者の古賀さんは大ベストセラーである【嫌われる勇気】や【幸せになる勇気】の作者です。
これらの前作は、ストーリーのように展開され内容(アドラー心理学)も参考になることがたくさん書かれていたこともあり、内容はあまり把握しないままに購入をしてみました。


内容としては『自分用の日記』を毎日書くことで
・自分の思いや考えと見つめ合う
・もう1人の自分を見つける
・『自分との人間関係』を築く
・自分自身を好きになる
ための日記の書き方や、言葉探しのポイントが書かれています。

主人公はタコのタコジロー。舞台は海の中。
と、ファンタジーな世界で物語は進みます。


日記の書き方、、、というような内容が主ですが、普段の教室の中で『言葉選び』というものはとても大事になることで、プラスになることがたくさんありました。


★【大皿料理を小皿に取り分ける】
コミュニケーションの中で、相手に誤解を与えることや、誤解して受け取ってしまうことは多々あります。誤解をゼロにすることは不可能に近いですが、誤解の余地を減らすことはできます。
それは『文章を一つずつ区切る』ということです。
→伝えたい情報が、一つの文章の中で盛りだくさんにならないようにする

例 ※作中の例文から
A:「バスに乗って学校に行ったけど、正門でトビオくんの姿を見かけて、怖くなったのでバスを降りられず、隣にいたキンメダイのおばさんと終点まで行ってしまった。」

B:「バスに乗って学校に行った。
  正門でトビオくんの姿を見かけた。
  怖くなってしまった。。。
  そのままバスを降りられなかった。
  結局終点まで行ってしまった。
  隣の席にはキンメダイのおばさんが座っていた。」

区切りすぎると違和感があることもありますが、誤解は減らせると思います。
シンプルなことですが、テーマを話している時にはついつい陥りやすいな、と思いました。
テーマについて大切に伝えたいことが山ほどあります。
ですが、相手に伝えきれていなかったら元も子もありません。
改めて伝え方、話し方、ということにも気をつけていきたいと思います。


★【ネガティブな感情は過去形にしてしまう】
日記を書いていると
「僕はバカだ、、、」
などとネガティブな言葉で自分を責めてしまうことが多くなるそうです。

そんな時には
「僕はバカだ、、、と思った。」
というふうに過去形にすることで、ネガティブ感情と自分との間に少し距離が生まれ
「どうしてそう思ったのか?」
という次の問いかけをし、問題解決につながることもあるそうです。

米田功体操クラブでは、教室の中でうまくいかなかったことの原因は自分たちにあると思って解決策を考えます。
自分たちにベクトルを向ける中で、自分を責めてしまいそうになった時などに、冷静に考え直す手段の一つとしても参考になりそうです。


★【何かを継続しようとするときに心を支えてくれるのは『成長している実感』】
「先週よりできることが増えている
この前より上手になっている
そういう成長の実感があるから、物事は長続きするんじゃないかな?」
作中では、日記を継続できるかどうか、、、という会話の中で出てきた言葉ですが

正に!!!

だと思います。

特に体操というスポーツの特徴として、「できた!」と言えるチャンスは、技の数やちょっとした動きの変化によっていくらでもあります。
ですが、これを子どもたちに実感させられていなかったらもったいないです。
子どもたちの小さな変化や成長、『その瞬間!』を見逃さずに「できた!」の成功体験をたくさん伝え、継続する大切さや楽しさを伝えていきます。


★【わかり合うとはどういうことか】
言葉を使ったコミュニケーションでわかり合うためには二つの努力が必要です。
話し手の『わかってもらおう』とする努力と
聞き手の『わかろう』とする努力です。

『わかってもらいたい』と思って話をするのに『わかろうとしてくれない』と感じた時に、
『わからせてやる!』になってしまうと、そこに言葉の暴力が生まれるとありました。

教室中で気をつけないといけないことだと思います。
限られた時間の中で、こちらのやりたいこと、やらせたいことを中心に教室をしてしまうと、どうしても子どもたちに『わからせないと』となってしまうことがあるかもしれません。
わかってもらえるための話し方や『わかりたい』、『わかろう』と思ってもらえる楽しそうな内容などを工夫、準備して、お互いに寄り添い合える関係性を築いていきたいです。




今回、この本を読み進める中で、『内容』よりも『著者』から本を選んだということもあり
以前、米田先生から聞いたお話しを思い出していました。

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『何を』したか も大事だけど
『誰が』したか も重要
この『誰が』の部分に自分の名前が入った時に、自分のしたこと、言ったことにどれだけの価値をつけることができるか
その価値を高めるために自分自身を磨くことが大事
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僕自身が「古賀さん(著者)が書いた本なら面白いに間違いない!」と思わされて本を選んだように
子どもたちや保護者の皆様から
「わたる先生が言うんだから間違いない!」と思ってもらえるようにこれからも自分磨きをしていきたいと思います。


最後に、この本を読めば読書感想文も書けて、夏休みの日記もはかどるかもしれません!
ぜひ皆さんも読んでみてください。