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スタッフブログ

2025.12.26
『ながーい5ふん みじかい5ふん』
みなさん、こんにちは。齋藤です。
本格的に冬の到来。子どもたちにとって嬉しいイベントが満載で待ち遠しい季節になりました。帽子にマフラー・手袋と完全防備をしても寒さで体を縮める私と違って、半袖・短パンでプールに登校してくる姿を見かけると子どものパワーのすごさに驚かされる毎日です。

さて今回、私が読んだ本は『ながーい5ふん みじかい5ふん』という絵本です。
この本を読んだきっかけは、『もう終わり?なんだか短い気がする』という子どもの何気ない一言。その時は〝楽しかったんだね〟と思うだけで深く考えなかったのですが、いつもと同じレッスン時間なのに「短い」という言葉で表してくれたことが嬉しく、何となく心に留まったのでしょう。休みの日に図書館に行った際に普段は見ることのない児童書ブースで目にとめたのがこの絵本です。
時間って不思議だと思いません?だって同じ時間なのに長く感じる場合と、短く感じる場合があるからです。時計の進む速さは、いつも一緒のはずなのに。
でも考えてみると自分の趣味や好きなことをしている時間は、あっという間に過ぎていき、もう終わりかと感じるものです。
つまり早く感じる時は、楽しい時間で自分の意思や思いがかなっている状態の時間、長く感じるときは楽しくない時間で自分の意思と反する状態の時間というのが人の感覚なのではないでしょうか。
時間の感じ方は気持ち次第。嫌な時間も前向きに過ごせるように工夫することができたら少し気持ちが楽になりますよね。

そこで、子どもが「短く感じる」と言った日の状況を思い出してみると、水に顔をつけるという練習を「にらめっこ」「まねっこ」としてゲーム感覚でレッスンをおこなったり、潜るという練習を「リング拾い」で時間内に多く取るというゲームにしてたくさん遊びをしており、そこに初めて水に浮くという体験もできた日だったのです。
◎リングを取りたい(本人の意思) ⇒ リングが取れた(思いが叶う) ⇒ 浮いた(プチおまけ付)
自分が楽しいと思うことを自由にたくさんでき、今まで出来なかったことが出来て、尚且つプチおまけまで体験できたのです。

〝苦手〟〝つまらない〟時間を変化させるにはここにヒントがあるように感じました。
絵本の中で「待つ」という行為を子どもが「長い」と言っている場面があります。米田功体操クラブではこの「待つ」という時間もただ待つのではなく、自分で自主練をするブースをつくったり、順番待ちシートを並べて「待つ」と言う行為も「待ち遠しい」に変化するように工夫をしています。
〝今〟に意識が100%向いている子どもにとってその一瞬一瞬の気持ちが充実していることが大切になるのだと感じます。子どもにとって「つまらない」をワクワクに感じられるアイデアをいっぱい持っていれば「楽しい」に変化させられるのに・・・と思うのですが、なかなかアイデアが浮かばないものです。日々思考です。

この絵本の最後に子どもが母親から「本を読むのは5分にしなさい」と言われ、5分じゃつまらないと感じているページがあります。でも次のページでは「でも、こ~んな 5分だったら、さいこう!おまけの5分ならもっと、もっと、さいこう!」と言っています。それは、父親が一緒に本を読んでくれるという場面です。同じ本を読むという行為ですが、うれしいことがプラスされると同じ5分が「さいこう!」と幸せな時間に変化するのです。時間に追われる日常を過ごしていますが、最後のこのページを観た瞬間に、おまけを一つプラスできる人になりたいなと思いました。