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スタッフブログ

2025.12.28
『とりあえずやってみる技術』
みなさんこんにちは!
ひろき先生です。

今年も1年間があっという間に過ぎていき、もうすぐ新しい年が始まります。
教室ではチャレンジャーカップに向けた練習会も徐々に始まってきました。
出場するみなさんにとっては大きな挑戦になると思います。
本番に向けて真剣に練習を頑張っている子どもたちの姿を見て、自分も気を引き締め直さなければならないなと感じさせられます。子どもたちの挑戦を後押しできるよう、精一杯サポートしていきたいと思います。

さて、今回私はそんな挑戦する気持ちをテーマにした、「とりあえずやってみる技術」という本を読んでみました。
「やってみる(=挑戦する)」これはこの体操クラブで大切にしているテーマの一つでもあります。
私も長い間、体操競技を続けてきて挑戦することの大切さはすごく感じていますし、引退をした今でも日々新しいことへの挑戦は続けていきたいと思っています。

ただ、なにかをやってみること、行動することは言葉でいうほど簡単なことではないと感じます。
頭の中ではやりたいと思っていることも、いざやるとなるとなかなか足が踏み出せない。
なにかを始めようと思ったときは、「失敗するかも、」「うまく行かないかも、、」「本当にやって意味があるのか?」そんな不安な気持ちが浮かびがちです。
なにかに挑戦するときにはそんな気持ちに打ち勝たなければならないので、ついやめておこうかなという気持ちになってしまうことも多いと思います。
この本は、そんな挑戦への一歩を踏み出すために必要な考え方や方法を教えてくれる内容になっています。
今回はこの本を読んで心に残ったことをいくつか紹介したいと思います。

「リスクがあるからやらないのか、コストがあるからやらないのか」
挑戦をやめてしまう理由は様々ですが、それらの理由はリスク(避けるべき危険)とコスト(払うべき必要経費)に分けられるそうです。それぞれ例を挙げると、「怪我をしそう、大切なものを失うかもしれない」といった未来で起こるかもしれない望ましくないことはリスクにあたります。一方で、「時間がかかるから、お金がかかるから」といった何かをやるうえで必要不可欠なことがコストです。しかし、多くの人はこの2つが混ざり合い、コストまでリスクとして捉えてしまうことがあるようです。労力がかかることを「損をする」と感じることで抵抗感が生まれ、やらない選択につながります。このように、コストをリスクとして捉えてしまうと本来リスクのないことまでできなくなってしまいます。これを避けるためには、コストを「投資」と考えることが大切だと書かれていました。「自分の成長のため、お金を稼ぎたい」など結果を求めるにはそれに伴う時間や努力の投資が必要になります。
また、忘れてはならないこととして、やらないことにもリスクはあります。やらないという選択をすることは同時に本来得られるはずだった経験を得られないことになります。コストへの投資もやらないリスクも、分かっているつもりでつい忘れがちなことだと思います。やるか、やらないかの選択を迫られたとき、この考えを持ち続けているかどうかが挑戦への一歩を踏み出す選択をするためにとても大切だと感じました。

「自信だけではなく『自己信頼』を高める」
私は、自分の挑戦を成功に近づけるためには、「自分なら成功させられる」という自信の気持ちを持って行動することがとても重要なことだと考えてきました。ただこの本には、挑戦できる心を作っていくにあたっては、自信を持つことと同じか、それ以上に「自己信頼」の気持ちを高めることが大切だと書かれていました。自己信頼とは、自分を信じる気持ちのことなのですが、自信が「自分なら成功できる」と思う気持ちなのに対し、自己信頼は「自分なら失敗しても大丈夫」と思える気持ちのことだそうです。挑戦に失敗はつきものと言うように、なにかに挑戦すれば必ずと言っていいほど失敗は起こります。行動を起こすときに大切なのは、失敗を減らすことよりも失敗から立ち上がれるようになることです。人は、たくさんの小さな挑戦と小さな失敗を経験することで、この自己信頼の気持ちを高めることができるそうです。そして失敗しても終わりじゃないと思えるようになるため、「失敗を恐れない心」が身についていきます。失敗は成長のチャンスでもあります。失敗を減らそうとするのではなく、失敗しても大丈夫という気持ちを持つことは、今後よりたくさんのことに挑戦するうえ大切な考え方だなと感じました。

体操というスポーツには、数えられないほどたくさんの技があり、1つのことができるようになっても次から次に新しい挑戦が待っています。またその分、たくさんの失敗も経験します。このように考えると、体操は自己信頼を高めるのにぴったりなスポーツだと思います。私自身、過去を振り返ってみると、体操を通して、たくさんの失敗から立ち直る経験を得てきたと感じます。そしてその経験が今の自分の大きな力にもなっています。

教室では、「失敗しても下を向かない」というテーマのもと、子どもたちにも失敗を恐れずに色々なことに挑戦してほしいという思いで日々様々な挑戦を盛り込んだ内容を取り入れています。子どもたちがこのクラブに通うことで、体操が上手になることはもちろん、同時に自分を信頼する心も身に付け、将来様々なことに挑戦するための力に変えてもらえたら嬉しいなと感じます。だからこそ、子どもたちの前に立つ自分自身が挑戦をし続けられる人であるとともに、子どもたちの挑戦を後押しできる信頼される先生を目指して日々努力していきたいと思います。
富岡浩輝