こんにちは。スイミングの荒井です。
最近、一年が過ぎるのがとても早く感じられます。だからこそ「後悔しない一年にしたい」と、今年は特に強く思っています。
さて、今回私が読んだ本は、昨年まで千葉ロッテマリーンズで監督を務められていた 吉井理人 さんの著書
「最高のコーチは、教えない。」です。
まず、コーチという立場からこのタイトルを見ると、
「いや、教えなかったらコーチじゃないじゃん!」
と思わず突っ込みたくなりますよね。
それほどインパクトのあるタイトルで、プロ野球好きということもあり、思わず手に取ってしまいました。
「こう教えよう」「コーチングとはこうあるべきだ」といった本は多くありますが、本書はタイトルからして異色です。そこでまず、吉井さんがこの本の中で伝えたかった結論と要点を簡単にまとめたいと思います。
『教えすぎないことが、選手を最速で伸ばす』
これが本書の核心となるメッセージでした。
答えを与える指導ではなく、選手が自分で考え、試し、気づくことができる環境を整えることこそが、最高のコーチングであると述べられています。
本書の中で、特に印象に残ったポイントは次の五つです。
一つ目は、コーチは「答え」を持ち込まないこと。
技術や正解を押し付けると、選手は考えることをやめてしまう。問いを投げかけ、選手自身に言語化させることで理解が深まるという考え方です。
二つ目は、成長の主役は選手であること。
コーチが主役になると依存が生まれ、決断と責任を選手に委ねることで自立が進むと書かれていました。
三つ目は、失敗を奪わないこと。
失敗を回避させ続けると学習の機会が失われるため、小さく試し、失敗から修正するサイクルが重要だと述べられています。
四つ目は、観察と対話を最優先すること。
指示よりも、選手の状態や感覚、変化を観察し、「今、何を感じている?」という対話が成長を加速させます。
五つ目は、環境づくりこそがコーチの仕事であるという点です。
技術論よりも、挑戦できる空気や振り返りの場を整え、安心して試せる文化が結果を生むと書かれていました。
ここまで読んで、正直に言うと耳が痛い気持ちになりました。
私はこれまで、最速で正解を出せることや、その子に合った説明ができることが「良いコーチ」だと考えていたからです。フォーム、タイミング、力の入れ方など、子どもが迷う前に答えを示すことが、親切で効率的な指導だと思っていました。
しかし、この本を読んでから、教室での声かけを変えなければならないと感じました。
「こうしよう」と言う前に、「今の一本どうだった?」「腕を伸ばしたのと曲げたのでは、どちらが進みやすかった?」と問いを投げ、考える余地を与える声かけを意識していきたいと思います。最初は言葉にできない子もいると思いますが、繰り返すことで必ず効果が出ると感じています。
スイミングでは、安全面や進級テスト、時間の制約など、失敗を許しにくい場面が多くあります。その中でつい行ってしまう「失敗しない泳ぎ方の指導」を、あえて見直していきたいと思いました。失敗をさせないことは、成長を遅らせることでもある。その言葉を忘れずに教室に立ちたいと思います。
この本を通して、私のコーチングに対する考え方は大きく変わりました。
コーチの役割を「教える人」から「考える場をつくる人」へと転換させてくれる一冊です。野球だけでなく、さまざまなスポーツやビジネスの場面でも活かせる考え方だと思いますので、ぜひ多くの方に読んでいただきたい一冊です。