こんにちは。佐久間萌子です!
今回私が読んだ本は米田先生にお借りした「コーチ」という本です。
私は今年の4月から選手コースを見させていただいています。指導をさせていただくなかで、私が思っていることを伝えても目の前の選手は私の思っているように必ずしも動けるとは限りません。こうなってほしいと思っていてもなかなか自分の思うようにできず改めて指導するって難しいなと感じます。そんな時に「コーチ」という文字が目に入りとにかくこれ読んでみたい!と「コーチ」の文字に強く惹かれ、米田先生にお借りすることにしました。
読んでみると、アメリカで野球を教えるフィッツというコーチの話しでした。スポーツをやっているとどうしてもコーチも選手も勝ち負けにこだわってしまいがちです。むしろ、勝つためにやっている人が多いことと思います。しかし、この本に出てきた主人公のフィッツというコーチは、人間として一人前に成長させようと努力し、人生の心構えを教えてくれる人でした。フィッツの周りでは体罰を使って鍛えるコーチがたくさんいました。そんな中フィッツは、体罰によって選手を鍛えたりはせず、そんなことする必要はなく、ほかのさまざまな方法を使って、選手たちの自覚をうながしていました。
フィッツにとって、成功とは途中過程でしかなく、フィッツ自身が送っている人生、そして選手に送らせようとしている人生にはトロフィーより大切なものがありました。
もっと大きな目標…
すなわち野球に打ち込むことでした。
ある時フィッツが選手たちにこう言いました。
「肝心なことが、連中は理解できない。」
肝心なこととは、勝利の大切さではない。
「自分の弱さを直視できるだけの強さがない者は、たくましい戦士にはなれない」
人生にはあきらめるための容易な言い訳がいくらでもころがっている。そのすべてに打ち勝って、自分の道を切り開いて進む姿勢の大切さ。
これこそがフィッツの言う"肝心なこと"で、そう言う気構えを生徒に教えこむ才能がフィッツにはありました。人生に真っ正面からのぞんだとき必ずぶつかる、二つの大きな敵ーーー不安と失敗ーーーにどう立ち向かうか。教訓をけっして忘れないように、選手たちに二つの敵の存在をじゅうぶんに思い知らせました。
人間は、心の弱さを完全になくすことはできない。どんな人間も、自分の最大の短所を抱え続けて生きなければいけない。二つの難敵にはぜったいに勝てない。だから賞賛に値するかどうかは、どれだけりっぱに戦ったかにかかっている。
そんな指導を受けてきた選手たちに変化がうまれました。
ーーーやがて選手たちは、失敗を恐れなくなり、それなりのプライドを持ち始めた。選手同士は一つの信念で団結していた。たとえ相手の方がじょうずだろうと、フィッツの厳しさについていけるのはぼくらだけだ という信念で…
勝つことよりも大事なことがあるーーーーー
人生を変えてくれた、忘れられない人。
いつのまにか選手たちはフィッツを慕うようになり、人として成長し、弱小チームから心も体も最強のチームに変わっていくとお話でした。
もちろん競技ですから、勝つために毎日練習に取り組む人がほとんどだと思います。しかし、フィッツが伝えた、
"生きていく上で1番大切なこと…人生にはあきらめるための容易な言い訳がいくらでもころがっている。そのすべてに打ち勝って、自分の道を切り開いて進む姿勢の大切さ。"
フィッツの教え方は、勝つだけではなく人としての成長を伝えながら勝利に導いていきます。子ども一人一人、選手一人一人、強いところ弱いところそれぞれ違います。それを見抜き、一人一人に伝え、その弱いところが成長することによって勝利に近づく。勝つためには弱い部分を強くしなければならない。まずは人としての成長。諦めない気持ち、何かにうちこむ姿勢。これらはスポーツだけでなく生きていくうえでとても大切なことだと思います。改めて、スポーツを通して多くの人に人として大切なことを伝えていきたいと思いました。
教室で伝えている10のテーマのように、人として大切なことを、体操を通して1人でも多くの子どもたちに伝えていくとともに、フィッツのように選手から慕われ、1人でも多くの子どもたちに印象に残る忘れられない指導者になれるように頑張りたいと思います。これからもよろしくお願い致します!