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スタッフブログ

2020.10.05
『幸せになる勇気』
こんにちは。米田真美です。
教室の中で、子どもたちの笑顔、汗だくになって体操をしている姿を見ると「体を動かす環境ってとても大切だなぁ」と改めて感じることができています。安心して通える空間を色々と対策しながら、みんなで進めていけたらと思います。今年度はスケジュール等、色々と変更がある中、協力してくださっている保護者の皆さんや子どもたちには感謝の気持ちでいっぱいです。いつもありがとうございます。


今年は江古田教室も始まりました。
米田功体操クラブは2010年に江古田教会で土曜日週1回からスタートしました。
原点である江古田教会で、また体操教室ができることはとても有難く、以前通ってくれていた子どもたちがまた来てくれているという話を聞くととても嬉しく思います。
その時に自分たちの勉強のために始めたスタッフブログも、もうすぐ10年になります。たくさんのスタッフが増え、たくさんの学びが増えました。今では色々な先生がブログを書いてくれています。多くの学びが良い教室づくりに繋がればいいですね。

以前ドキュメンタリー映画『みんなの学校』上映会と、その映画に登場する初代校長木村泰子さんの講演会を聴く機会があり、色々と初心に戻れる良い機会を与えてもらいました。
物事を切り開き物事をまとめるリーダーになるには適材適人があり、「当たり前の当たり前感覚(本質)」はとても重要だと感じました。そもそも当たり前のレベルが違う。レベルが違うから巻き込む力が違う。本気度が違う。何度失敗しても本質がブレない。教育者としての教育目標がしっかりある。キャリアが違う。変な遠慮がない。そんな感覚を感じました。
子どもに教えるのではなく、子どもから教えてもらう。教えるプロになるのではなく、子どもに学べる「学びのプロ」になる。見えないところが見える大人になる。指導力ではなく人間力。話を聞きながら自分の中でアドラー心理学とつながる部分を感じました。

アドラー心理学の『教育』の目標
行動面の目標
① 自立すること
② 社会と調和して暮らせること

心理面の目標
① 私には能力がある、という意識
② 人々は私の仲間がある、という意識

教育する立場にある人間、組織の運営を任されたリーダーは、常に「自立」という目標を掲げておかなければならない。「先生のおかげで〜できました」と言わせる指導者は、本当の意味での教育は失敗しているとアドラーは言います。私たちは指導をするとき、子どもたち、保護者を「依存」と「無責任」の地位に立たせないこと。感謝の期待をするのではなく、「自立」という大きな目標に自分は貢献できたのだ、という貢献感を持つこと。幸福の本質は「貢献感」であるとアドラーは言います。
自分の人生は、日々の行いはすべて自分で解決するものなのだと教えること。そして決めるに当たって必要な材料、知識や経験があればそれを提供していくこと。それが教育者のあるべき姿である。子どもたちの決断を尊重し、その決断を援助する。そして、いつでも援助する用意があることを伝え、近すぎない、援助ができる距離で見守る。
たとえその決断が失敗に終わったとしても「自分の人生は、自分で選ぶことができる」という事実を学んでくれるでしょう。

まず私たち指導者が、子どもたちに対して尊敬の念を持つこと。役割として「教える側」に立っている人間が、「教えられる側」に立つ人間のことを敬う。「人間への尊敬」がとても大切とあります。
尊敬とは、その人がその人らしく成長発展していけるよう気づかうことです。何ひとつ強要せず、ありのままの「その人らしさ」を受け入れ尊重する。相手の尊厳を守りつつ、関心を寄せていく。「他者への関心事」に関心を寄せることが大切だと書いてありました。
「わたし」を知り「あなた」を知ること。人間の本質を知り、人間としての在り方を理解すること。アドラーはこうした知を「人間知」と呼びました。教育の鍵は、その「人間知」にかかっていると言います。人間が人間として幸福に生きるための「知」。共同体の中でどのように生きるべきなのか、他者とどのように関わればいいのか、どうすればその共同体に自分の居場所を見出すことができるのか。

先生として教室に入ると、体操を教えるだけではなく、子どもたちとの関わり方、言葉のかけ方、保護者との関わり、周りの先生との関わりなど色々なことが多く求められます。思った通り上手くやれず、自分の実力不足に落ち込むことが多いです。そんな時、「幸せになる勇気」という本には教育という部分でとても大切なことが書かれていると感じることができます。

アドラー心理学では、人間の最も抱える根源的な欲求は「所属感」だと考えます。
孤立したくない、ここに居てもいいんだと実感したい。所属感を得るには「その他大勢」にならないこと。承認には終わりがない。他者からの承認を求めるのではなく、自らの意思で、自らを承認するしかない。「わたし」の価値を他者に決めてもらうことは依存。「わたし」の価値を自らが決定することが「自立」。人と違うことに価値をおくのではなく、「わたしであること」に価値を置く。「普通であることの勇気」。あなたは他者の期待を満たすために生きているのではない。そして、他者も、あなたの期待を満たすために生きているのではない。その選択によってもたらされる結末を、最終的に引き受けるものは誰なのか?これを考えればよい。自立とは「自己中心性からの脱却」。心理面の目標が達成できるような関わり、言葉がけはとても大切だと思います。

最近の私は選手コースの子どもたちと関わる時間が増えました。自立を促す関わりはとても難しく、すぐに依存の関係性が生まれてしまいます。また、会社の組織が大きくなる中で、各自の自立、所属感を感じる環境作りも課題になっていると感じています。
変えられないものに執着するのではなく、眼の前の「変えられるもの」を直視する。
まずは自分自身が自立を常に心がけ、当たり前の感覚、目標がぶれないようにしっかりと前を向いて、人間力の向上を目指したいと思いました。

年齢を重ねるごとに、色々とメンテナンスが必要だなと感じる半面、ますます自分に目を向ける時間が減り、それ以上に興味がなくなってきたなと感じています。心に余裕のある生活を目指して深呼吸して頑張ります。