『最先端研究で導き出された「考えすぎない」人の考え方』
こんにちは。佐藤亘です。
東京オリンピックが終わりましたね。
期間中はメダル情報が待ち遠しくて、どの競技で知らない選手であってもメダル獲得と聞けば、「すごい!」と興奮すると同時に元気をもらっていました。
続くパラリンピックでも日本選手の活躍が楽しみですね。
私は体操競技に限らず、テレビの前で応援をしているとついつい手に汗を握り、身体に力を入れながら見入ってしまいました。
日本選手が勝った時はもちろんですが、国や勝敗に関わらず、一生懸命闘う選手の姿や、例え負けてしまっても勝者を讃える選手の姿を見ていると、「やっぱりスポーツって良いなぁ。」と思います。
9月に行われる全日本シニア・マスターズ体操競技選手権に今年も出場する予定です。
今年も優勝を目指して頑張りますが、結果だけに捉われずに、楽しむことや仲間を応援すること、最後まで諦めないことなど、子どもたちに伝えていきたい大切なことを、まずは自分自身がしっかり取り組み、胸を張って結果報告ができるようにしたいと思います。
さて、今回私が読んだ本は【最先端研究で導き出された「考えすぎない」人の考え方】です。
物事に取り組む時に、考えることはとても大事なことだと思います。
しかし、考えすぎてしまうと判断が遅れたり、的確な判断ができないこともあるそうです。
人の行動原理は『不安』によるもので「不安にならないようにしよう」ではなく「不安とうまくつき合う」ことが大事だと書いてありました。
「体操の試合をするときと同じだな。」と思いました。私は、緊張を抑え込むのではなく、緊張を受け入れて自分自身ができることをすることが大事だと思っています。
つまりは考えてばかりいてもどうにもならないこともあり、行動に移すことでしか解決できないこともあるということだと思います。
「考えすぎない」という考え方が、「すぐやる!」に繋がるようにと思いこの本を手にしましたが、面白いことに読んでいる最中は体操教室中でのことばかりが頭の中を巡っていました。
まず、人の行動原理は『不安』によるものとこの本では書いてありますが、『不安』の対義語は『安心』(=幸せ、幸福感)です。安心感、幸福感に必要なことは「心身が一つのことに集中すること」です。
目の前のことに集中できていない時は、別のことへの不安を感じてしまったり、目の前のことすらも中途半端になり、達成感や幸福感を感じづらくなってしまいます。
体操教室では、子どもたちが目の前のことに夢中になっている時間を単純に楽しんでもらい、先生という存在が安心感を与えられるようになることが、子どもたちの幸福感になっていけるようにしたいと思います。
次に、【八つ当たりをされた時は事実の捉え直しをしよう】という項目がありました。
人の脳は他人の不安な表情や怒った表情を見ただけでネガティブな反応をし、ストレスがかかります。しかし、そのようなネガティブな表情を見た際に「きっと仕事で上司に怒られたんだろうな」などと『怒りをぶつけられている原因が自分ではなく他にある』という事実の捉え直しをすることによって『自分が怒られてる』というストレスを無くすことができるとされています。
「株が大暴落して大負けしてるのかな。」
「おやつの最後の一つを取られたんだろうな。」
などと、事実である必要は全くなく、むしろユーモアのある方が楽観的に捉えられるようになり、人のネガティブに巻き込まれづらくなります。
自分自身はこの考え方を実践することで良いかもしれないけど、子どもたちを巻き込んでしまうことがないように気をつけたいと思いました。
教室外で思い通りに行かなかったことや、怒りや不安と言ったネガティブな感情を表情に出してしまうことがあれば、その表情を見ただけでも相手にはストレスがかかってしまうということを認識し、自分自身の先生としての立ち振る舞いを意識していきたいと思いました。
逆に『笑顔』にはストレスを抑制させる力があり、運動中に笑顔でいると運動の辛さを忘れることもできるという実験結果もあるそうです。
また他人の笑顔を見ることで「喜び」をつかさどる脳の機能も活性化されます。
つまり、笑顔を人に見せるということは、相手を喜ばせるという行為になります。ポジティブな人間関係を作っていくためには欠かせないものです。
確かに自分たちは体操教室中は子どもたちの人数分だけたくさん喜ばされています。加えて、お父さんやお母さんが笑顔で子どもの様子を見守っているところも見られます。
たくさんの笑顔で溢れる体操教室の時間、空間をみんなで幸福感を共有できるものにしていきたいと思います。
ポジティブな言葉にも気持ちの耐性や痛覚をやわらげる効果があることもわかっています。
「できない。」ではなく、「〇〇ならできる!」
「難しい。」ではなく、「やりがいがある!」
「忙しい。」ではなく、「充実してる!」
「疲れた。」ではなく、「一生懸命動いた!」
「うるさい。」ではなく、「活気がある!元気がある!」
テーマにもある「プラスの言葉」は常に意識していますが、改めて大事なことであることを認識した上で、これからも自信を持って取り組んでいきたいと思います。
最後に、この本では【幸福と健康を高めてくれるのはいい人間関係である】と書いてありました。
家柄、職業、学歴、収入などではなく、人の幸福感や健康に直接関係があったのは人間関係でした。それも人数は関係無く、たった一人でも心から信頼できる人がいるかどうかが重要です。信頼できる人がそばにいる状況では緊張がほどけて脳が健康に保たれ、心身の苦痛がやわらげられるそうです。
子どもたちとの何気無い会話や言葉掛けなども大切にし、良い信頼関係を築き上げることで、先生という存在が、通ってくれている子どもたちの幸福と健康を高められる存在となれることを目指していきたいです。
この本を読むことで、今までも意識していたことや実践してきていたことにしっかりと有意義な意味があり、重要であるということを改めて実感できることがたくさんありました。
・自分の都合を相手に押し付けない
・表情に出さない
・笑顔を大切に
・プラスの言葉をたくさん使う
・言葉使いや立ち振る舞い
上記のような『人に見られているという意識』、『先生としての自覚』、『人としての資質』、『魅力』を高めていくことで、体操教室という一時間が子どもたちにとって幸福感を高められるような空間、時間を与えられる先生、クラブでありたいと思います。