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スタッフブログ

2011.10.28
『なでしこ力』
お久しぶりです!中村です!最近の中村は11月のOPENに向け忙しくなり、ウカウカしておれません!米田功体操クラブを笑顔あふれる、最高のクラブにしたいと思います! さて今回のブログは、2011年7月18日ワールドカップサッカーで、日本女子を世界一に導いた「佐々木則夫監督」が講談社から出版した“なでしこ力”を読んで感じたことを、ブログにしました!


なでしこジャパンはなぜ「強く」なったのか、☆は本を読み、特に体操にも活かせると思った箇所を抜粋して、■は自分がその部分を読んで感じたことを、書いていきたいと思います。

1)佐々木監督が世界で戦う為の技術や戦術をレベルアップさせていく為に、実行された内容を主に書いています。

☆世界で勝つにはどういったサッカーが必要か、「完成形のイメージ」を持って、チーム で共有・実行する。
■僕も体操の現役時代に、上手な選手の“動き”や“技術”を研究しては、“イメージ”と“実施”を照らし合わせて、技を習得していきました!しかし、ただ技の習得を 目指して練習するだけでは、理想の形から外れてしまうので、“理想のイメージ”を持 ちながら自分に合う技術を、練習で作っていくことが大切でした。
 
☆目指すサッカーを実現するには“何が出来ていて”“何が出来ていないか”をチェック する。
■完成形に近づけるために、同じ状況で止まっていては、前に進むことが出来ません。
“出来ていること”“出来ていないこと”を整理して、どこを“メイン”に練習するかを
 考え、時間を有効に使う。また、やるべきことへの見落としが無いように、チェックす
 ることが大事だと思いました。

☆なでしこ力を発揮しやすい、チームの構築。
 勝つ可能性を高める戦略・戦術を立てる。
 適材適所で人の強みを活かす。
 フィードバック情報を与え実力を客観視する。
 継続学習によって完成度を高める。
☆レクチャー・実践・確認の3ステップを1セットで、常にフィードバック情報を与える。
 レクチャー⇒説明(何故そうするのか・そうすることでどうなるか)
 完成形のイメージを叩き込み、手本になる映像を観る。
 実践⇒トライ&エラー、まずはやってみよう!
 「ピッチの上でやるべきことに、男女の差はない」という持論をもとに考える。   
 「男性であれ女性であれ、サッカー選手としての持つべき意識、果たすべき責任の重み  は 同じ」「無理という弱気は認めない」→必ず出来ると常に選手に強調する。
  確認⇒出来たこと・出来なかったことを客観視する。
  
  ここまでが、サッカーの技術や戦術をレベルアップするために、佐々木監督が取り組んだ内容の1部です。

2)次に技術・戦術以外の面で“なでしこ力”をレベルアップさせた、佐々木監督の仕掛けを書きたいと思います。

☆サバイバル(チーム内の競争こそ、選手を伸ばすために欠かせないもの)
なでしこは、08年北京オリンピックでベスト4に入りました。ベスト4を越える為に  は、既存メンバーにも新戦力にも「さらに自分を、高めなければいけない」と危機感を 持たせる必要があったそうです。いつも同じ顔ぶれでは、いつしか気が緩んでしまうの ではないかという心配もあり、レギュラークラスなら「試合に出られるから、安心」サ ブの選手なら「代表に選ばれていれば十分だ」と現状に満足する選手が出て来ないとも 限りません。向上心が緩むとミスが増え、そのミスを軽く“受け流す空気”もチーム全 体に蔓延してしまう。だからこそ、佐々木監督は「思いを共有する仲間の誰かがメンバ ーから外れて、あるいは自分が外れて、違うメンバーが入ってくるかもしれない」とい った“緊張感”が、新生なでしこジャパンには、絶対必要だと書かれていました。
■イチロー選手の本にも書いてありましたが、人間という生きものは、恐怖や不安を感じ  て“緊張状態”に置かれることで、初めて本来持っている“潜在能力”を発揮すること が出来ると書いてありました。逆に、不安を抱え“危機感”を持って、仕事すること  が、成長の糧になるそうです。

☆理不尽なトレーニング
 サッカーでは微妙な判定や、ロスタイムの失点など、心が折れそうなシーンは試合中に 何回も訪れます。そのためにも佐々木監督は、理不尽な局面でも気持ちをすぐに切り替 えて全力を出せるかどうかが、サッカーの世界では重要だと考え、意図として理不尽な トレーニングを取り入れるそうです。
■僕がやっていた、体操は採点競技なので、“審判の好み”や“イメージ”が点数に影  響する場合もあり、思ったより点数が低いなど、外的な要因から動揺し、試合を途中で 諦め、演技に集中出来なくなることもあります。1回気持ちが落ちると、盛り上げよう としても、全然上がりません。
 何が起きても、起きている状況を“受け入れ”、すぐに気持ちの“切り替え”が出来る 選手は、“最後まで諦めない”強さと、どんな状況でも“全力を出し切る”ことが出来 ると思います。
 
☆レギュラーとサブ
 佐々木監督は、選手たちが自分らしさを表現しやすくするために、心がけていることが あるそうです。それは、なでしこジャパンというチームを選手たちにとって「できない こと」を指摘されるだけの場所にしないということ、またサブに対しては“ミスを指  摘”することより、“褒める”ことを多く心掛けていたそうです。
■ミスばかりを指摘されると、ミスをしないように消極的になり、指導者の様子を伺い
 ながら、プレーするようになります。練習から、“アピール”するくらいの積極性が
 無ければ、試合では自分のプレーが出来ません。  
 僕はジュニア時代に、先生に怒られないように、どう練習するかと毎日闘っていま
 した。僕だけでなく、このクラブは誰の為に体操しているのだろうという“雰囲気”
 が、体育館全体に出ていました。自分たちで“積極的”に練習している“雰囲気こそ
 強くなる“雰囲気”だと思います。選手を教える立場になったら、緊張感の中にも“伸 び伸び出来る”練習環境を作っていきたいと思います。

☆スタッフへの対応
 なでしこジャパンに関わるすべての、スタッフに担当分野で自分らしさを出し切っても らう。スタッフ陣も、選手が掲げた目標を共有する大切な仲間。
 彼らの力が100%前向きに発揮されなければ、チームの成功はない。
■何かを“任される”ということは、“責任”があり“やる気”が出ます!
 それが、“勝利”や“人に貢献”出来るなら、より一層の“充実感”と“達成感”も得 ることが出来ると思います。そして選手とスタッフを絡めることで、“スタッフ”のた めにも、“頑張ろう”という気持ちの“一体感”が選手に出来ると思います。
   
 佐々木監督はこうして、サッカーの技術・チーム力・メンタル面、色んな方面から
レベルアップするために、色んな方法を考え試し実行されました。

僕が「なでしこ力」を読んで、佐々木監督から感じたことをまとめてみました。
◆選手・スタッフに対しての、仕掛け作りがすごい!(心を1つにまとめる力)
◆選手・スタッフに対して、マイナス要素や否定的な発言や行動を取らない!
◆ミスをした時の、発言やアプローチにも状況や心理状態を考えて発言・行動する。
◆大胆で、“これだ”と思ったことは、恐れずやる。
◆過去に出会った方で、影響を受けた人の、良い所をマネする。
◆競技者なら、子ども・大人関係なく「弱気な心」は認めない。
◆みんな、平等に接する。
◆相手の気持ちや考えを理解する。
◆常に、先を読み・状況を理解して行動する。
◆選手が、自分らしさを出せるような監督でいる。
こうして佐々木監督から感じ取ったことを、自分自身にも置き換え、たくさんの事を実践し吸収したいと思います!

最後に僕は「なでしこ力」を読み、またワールドカップを観て、なでしこジャパンから、私たちには“出来る”という自信を表情から感じました!その自信は、日々の練習を“100%の力”で取り組み、3ステップ(レクチャー・実践・確認)で、みんなが個々の役割を理解し、意識を共有し合い、目標に向かって生活のすべてをサッカーに捧げワールドカップに向け、準備してきた結果だと思います!点を取られても、取られても、諦める表情をした選手はいませんでした。逆転されてもすぐに、もう1点取りに行く選手の姿もありました。そんな“仲間を信じて”、最後まで“諦めない気持ち”を行動から感じることが出来ました!あの追い込まれた状況で、自分たちのサッカーが出来たことは、自分たちに、自信が持てるまでの“準備”と仲間を信じて“最後まで諦めない”気持ちを持ち続けたからだと思います。  

中村