『勝者の思考回路 成功率100%のブランド・プロデューサーの秘密』
こんにちは。小川です。先日映画館で「憧れを超えた侍たち 世界一への記録(2023 WORLD BASEBALL CLASSIC侍ジャパン完全密着ドキュメンタリー)」を観賞してきました。世界一になったトップアスリートたちの気迫のこもったプレーや日本代表としてのプライド、またその選手たちを支える監督、コーチ陣の熱い想いに胸を打たれました。特に準決勝のメキシコ戦で佐々木朗希選手がプレッシャーと戦っている姿、悔し涙、チームメイトを応援する姿、同点に追いついた時の安堵の表情がとても印象的でした。スポーツの素晴らしさをあらためて実感することができました。
さて今回私はブランドプロデューサーとして、「グランツリー武蔵小杉」、「渋谷ヒカリエ」、「東急プラザ渋谷」などのブランディング、店舗プロデュースを手掛けている柴田陽子さんの著書「勝者の思考回路 成功率100%のブランドプロデューサーの秘密」を読みました。柴田さんにとって勝者とは「常に自分自身が高い志を持っていることができる。周りを見れば味方が多く、応援してもらえる。そして誰かの役に立つという充実感の中で生きている。すなわち自分、仲間、社会のすべてにおいてYESと答えられる人のことを勝者と定義している」とあります。ビジネスの世界とスポーツの世界で勝者の意味合いは違いますが共通している部分がたくさんあると思いました。以下に本の中で印象に残った言葉を紹介したいと思います。
■勝者の思考回路は「感想」を持つことから始まる。勝者の思考回路を身につけられるか否かを決めるのは経験の多寡ではなく、そこで「何を思うか、感じるか」だからです。感想の持ち方と持つ量こそが重要なのです。普段と違う世界に身を置けば新しい感想を持てると言うわけではない。それよりも今ある些細なすべてに「感想」を持つことです。今目の前にあるものに感想を持てない人が新しいものに出会ったからといって面白い感想を持てるわけがありません。「感想のない経験など無意味だ」と私は断言できます。
■小さなことにすべてが宿る。成功の理由も失敗の原因も、あるいは1人の人間の真の姿もすべて小さなことに宿っています。そもそも将来成功の可能性があっても最初はほんの小さい芽の部分しか表に出ていないものです。その芽の奥、地中に眠るでっかい実を掘り当てられるのは、小さなことを大切に観察している人だけです。小さなことにこだわる態度は成功を手にするチャンスを増やすだけでなく、失敗を避ける意味でも重要です。
■すべてのことに理由がなくてはならない。伝える力を高めるものは「技術」ではない。何事にも「理由」を考えること。どんな些細なことでも「なぜ?」と考える。「理由がないことはひとつもあってはいけない」、「どんな些細なことにも理由がなくてはならない」
→どんなことにも感想を持つ。どんな小さいことにも必ず理由がある。その理由を意識的に考えることで小さい変化を見逃さなくなるようになる。物事が曖昧なままで時間が過ぎていかないように常に「感想と理由」を意識しておく必要があると感じました。
■「責任の設定」の高さで成功するかどうかが決まる。項目をひとつひとつクリアすることが目的になっていると目の前のことばかりが気になって視野が狭くなります。ところが責任を高いところに置くと視点が高くなり、必要なことがどんどん見えてくるようになるのです。「何を責任として設定するか、その設定の仕方」と「責任を設定するまでにどれだけ相手への想像力を膨らませることができるか、その想像力の高さ」だと思います。
■「言う」と「伝える」は違う。言葉選び次第で人間関係は美しいものにも雑なものにもなる。言葉は相手のためのもの、伝わらなかったら意味がない。言葉が伝わらなかったのは相手の理解力不足が原因ではなく、あなたの伝える力が足りていないから。言葉はそれを話しているこちらのものではなく、「受け止めている相手のものだ」という認識が必要です。あなたの発した言葉をどう捉え理解するかは相手の自由なのです。
→指導の場でもアドバイスが選手に伝わらないことがあります。その場合なぜ伝わらないのだろうと相手のことを考えてしまいがちです。伝わらないのは伝える力が足りないだけ、正しく理解をしてもらうために説明の仕方、言葉の選び方をもっと工夫しなければいけないと思いました。
思考の持ち方、時間の使い方、言葉選び、小さなことを大切にする、責任。常に感覚に入っているはずのことですが本を読むことによって薄れている自分に気づかされます。こちら側の思いを一方通行で伝えていないか?日々振り返っていきたいと思います。
今年も試合シーズンが始まりました。選手たちが練習の成果を発揮できるように、この本で定義されている【勝者】を意識してしっかりサポートいきたいと思います。
米田功体操クラブ
小川泰弘