みなさん、こんにちは!曾根強です。
ついこの前まで「暑い〜」と嘆いている毎日でしたが、すっかり涼しくなって、朝晩は「寒っ!」と感じる日も増えてきましたね。みなさん、体調を崩さないように気をつけてくださいね!
さて、今回僕が選んだ本は『ディズニーCEOが実践する10の原則』
この本はウォルト・ディズニー・カンパニーのCEO、ロバート・アイガー(愛称ボブ・アイガー)の回顧録です。ボブ・アイガーがABCテレビの雑用係からディズニーのトップに上りつめ、その後のディズニーのトップとしての経験やこれまでに出会ってきた人々からの影響。それらから導かれる優れたリーダーシップの原則が書かれていました。
正直この本を読むか、最初は迷っていました。この本は350ページもあって、本を読むのが苦手な僕には読み切れないかも…とも思いましたし、内容も「リーダー論」がメインになるので、自分が今「誰かを引っ張っていくリーダー」という立ち位置にいるのだろうか?自分が読んでタメになるのか?と疑問を持っていました。ただそれは読んでみて必要のない疑問だったとわかりました。
ディズニー社は今年で100周年です。100年間ずっと順風満帆で、世界のトップを走り続けてきたように見えますが、実はウォルト・ディズニーの死後、アニメーションのヒット作が出ずに1970年代〜1980年代は「ディズニー低迷期」と呼ばれる時代もありました。みんなが知っている「美女と野獣」「リトルマーメイド」「アラジン」が公開される前はみんなが知らない映画がたくさんあると思います。ぜひ調べてみてください。そして2000年代にも再び「ディズニー低迷期」がありました。
ボブ・アイガーはABCテレビの下っ端社員からディズニーのトップに上りつめ、「ピクサー」「マーベル」「ルーカスフィルム」「21世紀フォックス」の買収、世界最大規模のディズニーリゾート「上海ディズニーリゾート」開業、配信サービス「ディズニー+」の立ち上げ…を成し遂げ、ディズニー低迷期から救ったとも言われています。戦略的に世界を代表する巨大企業になったのはボブ・アイガーがいたからなのかもしれません。
この本に載っている「真のリーダーシップに必要な10の原則」を簡単に紹介します。この本を読む前は「早起きをする」とか「挨拶をする」とか行動の原則なのかなと思っていましたが、違いました。
①前向きであること…熱意を持って高い目標に取り組む。
②勇気を持つこと…勇気がなければリスクは取れない。真のイノベーション(新たな考え方や技術を取り入れて新しい価値を生み出し、社会に大きな変革をもたらすこと)は人々が勇気を持った時にはじめて生み出される。
③集中すること…重要な仕事の中で、時間と労力とリソース(資源や財源)を注ぐことは極めて大切だ。
④決断すること…多様な意見を尊重しながらも、タイムリーに決断を下し実行する必要がある。
⑤好奇心を持つこと…好奇心があると、新しい人や場所や考え方と出会える。イノベーションのきっかけは好奇心。
⑥公平であること…強いリーダーは誰とでも公平に丁寧に接する。
⑦思慮深いこと…時間をかけ、情報を集めた上で意見を形成し、判断を下すことは信頼できる。
⑧自然体であること…ありのままのあなたでいよう。正直でいよう。
⑨常に最高を追求すること…「ほどほど」で妥協しない。もっといいものにするために力を注ごう。
⑩誠実であること…組織の中で人に対して公平で、誠実であることは何よりも大切。
このように文字にすると「そりゃ、そうだ」と思いますよね?でもこれらはリーダーじゃなくても当てはまりませんか?
この中でも僕は、「好奇心を持つこと」「公平であること」「自然体であること」が重要だと思いました。
好奇心があるから、周りの人の意見やアドバイスを受け入れ、自分なりに考察し行動できます。好奇心を持って、新しいもの、より良いものを追い求めていかなければ、自分自身も会社も成長はできません。周りの人々と公平に丁寧に接することができなければ、信頼を失い、会社の一員、仲間として認めてもらうことすらできません。そして自然体。自分自身の本来の姿をお互いに見せ合って、共感し合える仲間だからこそ、心から信頼し合える関係が育まれると思います。
この本を読んでみての率直な感想は「この人、すごすぎ…」という一言でした。僕はディズニーが好きなので、ディズニー社のCEOとしてのボブ・アイガーの存在はもちろん知っていましたが、優しそうでいつもニコニコしたおじさんというイメージでした。しかしその笑顔の裏側は野心に満ち溢れており、周りの人々・物事すべてにアンテナがピーンと立っていて、そこからの吸収力が尋常ではない、ビジネスマンの一面がありました。世界のトップ企業のCEOなのですから、考えてみれば当たり前ですね…。
この本全体からは、ボブ・アイガーは周りの人々によって作られた人なんだと感じました。ボブ・アイガーは人との繋がり、人からの影響を常に大事にしていて、それを吸収して、自分の考えや行動に活かしている。そして周りの人々への敬意を忘れずに、謙虚で、正直でいる。リーダーだから偉そうにしていいわけではない。リーダーだからこそ、部下や仲間たちと同じ目線でいることが大切。リーダーとしての在り方、人としての在り方を常に念頭に置いて人と接していることがわかりました。
自分はボブ・アイガーのように大物にはなれないと思いますが、ボブ・アイガーのように、自分らしさを持ち続け、人との繋がりを日々大切にして、そこから学べること、吸収できること、共感できることを見つけて、自分の人間力を高めていきたいと思いました。人とのコミュニケーションを丁寧に、ありのままの自分の姿を見せ、時には対立する意見があっても一度は受け入れ考え、偽りのない言葉と心で仲間たちと接することができるように努力していきたいです。
ページ数も多く、なかなか難しい本でしたが、ディズニーが好きな僕にとって、ボブ・アイガーなくして今のディズニーはない!と確信が持てて、読んで良かったと思える1冊でした!みなさんもぜひ読んでみてください!
曾根 強