こんにちは
紅葉を楽しむ間もなく秋が過ぎ去り、気がついたら今年もあと1カ月を残すのみとなりました。ニュースでは今年も暖冬と報じられていますが、グッと気温も下がりプールに入るのがつらくなることもありますが、元気な子どもたちにパワーをもらい日々奮闘しています。
さて今回私が読んだ本は「ディズニーそうじの神様が教えてくれたこと」です。スイミングでも年末に向けて館内の大掃除の時期となり細かいところを掃除するため準備や予定を立て始めた頃に、図書館でぼんやり棚を眺めていて、なんとなく目に留まったので手に取って読んでみました。
この本はディズニーランドを舞台に、カストーディアル・キャスト(清掃員)たちによって繰り広げられる実際に起こったことを物語形式で書かれたもので、そして、この物語すべてに貫かれているのが、初代アメリカディズニーランドのカストーディアル・マネジャーで、ウォルト・ディズニーの信頼が厚く、ディズニーの世界で「そうじの神様」と称えられる、チャック・ボヤージン氏の教えです。
物語を通して、多くの顧客を魅了しているディズニーランドの秘密を垣間見ると共に、「働くとは?」「働くことの意味」を問いかける本となっています。
本の中で大切にしていたことを思い出させてくれた言葉をひとつ紹介してみたいと思います。
① 『そうじは、パレードやアトラクションを演出するための舞台作り』
この言葉は掃除係という仕事を次の仕事が決まる間の一時的な仕事と位置付けて始めた男の人が、ある出来事をきっかけに与えられた仕事を全うするというお話の回で神様の教えとして紹介されているものです。華やかなパレードや楽しい乗り物も掃除がいきとどいてこそ安全でより素晴らしい物になり、ゲストを笑顔にできる元となると言っていました。確かに、ゴミだらけの場所では座って観たいとは思えないし、汚れや故障をしている乗り物に乗っても楽しさは半減しますね。
社会人になって数年の頃、先輩に掃除中にこんな質問をされたことがあります。「ラーメンを食べたいと思った時にお店が2軒並んでいました。どちらが美味しいか味は判らない場合、綺麗な店と汚い店どっちのラーメン屋に入る?」何のことだ?と思いながらも私は「綺麗なお店」と答えました。「でしょ、だから掃除をするんだよ」と先輩に言われ、その時はピンときませんでしたが、様々な経験をした今はその教えの意味も理解できるようになり今でもその教えは仕事をする上で大切なものになっています。
CARTWHEELの体育館やプールは私たちにとっては舞台。通ってくれる多くの人に笑顔になってもらうため様々な方法で指導をおこなう場所を清潔で安全に保つことはお客様の笑顔につながる大切な第一歩。
今回、この本を読んで改めて「掃除」という作業一つにしてもその先を想像して〝自分にできることのすべてをする〟大切さや仕事で人を幸せにするヒントを再認識した気がしました。
よくディズニーの掃除と聞くと「ほうきでお絵描きをする清掃員」や「ダンスパフォーマンスをするゴミ収集員」を思い出します。しかしパークでの掃除について基本的な手順や方法が書かれたマニュアルは存在しても私が想像をするお絵描き清掃やダンスパフォーマンスゴミ収集員について事細かに書かれたぶ厚いマニュアルはないそうです。ただゲストを笑顔や幸せな気持ちにしたいと思う共通の想いを持った人たちがディズニーのすばらしさを作り出しているのではないかと感じ、レッスンでも子どもたちに笑顔や楽しさを伝えられる場所つくりを全員で作っていけたらと思いました。
年末の慌ただしい中でする掃除は少し気持ちが沈みがちになるかもしれません。でも今年の大掃除は誰かの笑顔を想像し、その人のためにおこなってみることで幸せな1年の締めくくりができるかもしれませんよ。
今回、ご紹介した本は125ページと短い本ですが、心温まるエピソードと共に大事な考え方を教えてくれる本でした。機会があれば手に取ってみてください。
齋藤美紀