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スタッフブログ

2012.12.31
『依頼と約束』『結果と承認』
今年も残り少なくなりました。
皆さん、年末をいかがお過ごしでしょうか。
今年は早めに体操教室が終わり、私は念願の箱根温泉に行ってきました。
毎年、箱根駅伝を見るたびに「いつか箱根に行きたいな~」とひそかに思っていましたが、実行、行動が苦手な私・・・主人に一言もらすと即実現。やはり行動力が違いますね。
おかげでのんびりとした休暇を過ごすことができました。

さて、今年最後の体操教室の授業は、どのクラスも発表を取り入れた授業でした。
私は今年の途中からアクロバットクラスをひとつ見させていただいていますが、発表では「一人で転回をする」と「できる子は一人でバク転をする」という課題にしました。本人たちが目標として挙げている技の一つです。
一人で挑戦しても絶対に大丈夫だという気持ちがあるにも関わらず、いざ本番になるとあり得ない失敗を想像してしまう。「もし突き刺さって膝が入ったらどうしよう・・」「蹴りが抜けてグニャンってなったらどうしよう・・」そんな不安をよそに子どもたちは本来の実力をどんどん発揮して発表します。
「そうそう・・昔からそうだった。もっと子どもを信用してあげなさいってよく言われていた」この発表で自分が選手を教えていた頃の、いざとなった時の心理状態を改めて思い起こす、そして面白く感じることができた時間でした。


先日、中村先生に、選手に質問をした時にパッと返事が返ってこないと「考えていないのか?」と思ったことはないですか?と聞かれました。私は「よくあった。そしてこれはこうでしょ!!と教える。少しずつ子どもはすぐに答えるようになる。私の望むような答えをね。でも実際、その答えは私の考えであって正しいかどうかはわからない。そのうち、今度は、この子は私に怒られないように、私の為にしているんじゃないかって悩むようになった。答えは一つではなく色々な考えがあるから色々な人の考えを聞くこと、本人の考えを否定しない事が大事じゃないか」と答えました。

浮世満理子先生の「子供の可能性を伸ばせる親、芽をつんでしまう親」という本の中で子どもとの関わり、コーチングについて書いてあります。
コーチングは目的や目標とする結果に対して機能するか。機能するかというのは、物事が前進したり、改善されることを表しています。
コーチングの基本として「依頼と約束」そして「結果と承認」があります。
まずは「依頼と約束」。依頼は相手が断ることができる余地を残しておくことが鉄則となります。「私はあなたに9時までにお風呂に入ってほしいんだけど、できる?」と話しかける。これに対して、子どもがが「見たいテレビが9時に終わるから、そのあとすぐに入る」と答えたとします。「じゃ、9時10分までだったら大丈夫?」「わかった。9時10分までにお風呂に入る」となります。これで双方納得の依頼と約束が成立したわけです。
この時、気をつけておきたいのは、きちんと期限や内容を明確にするということです。
これと混同しやすい、しかし決定的に異なるものに「命令と指示」があります。ついつい「遊びに行く前に勉強をしなさい」とか「9時までにお風呂に入りなさい」といった調子で、高飛車な命令を子供に下しがちです。子どもはその命令に背をむくことができずに、たとえ嫌だと思っていても従わざるを得ません。こうなると子どもは「言われたからとりあえずやる」「適当に済ませる」という受動的な態度でその場を取り繕うようになります。また、一方的な命令は反発心をあおり、信頼感を損ねる原因にもなりかねません。

次に「結果と承認」です。これは「依頼と約束」から続く一連の流れの締めくくりとなります。子どもがあなたとの約束をきちんと遂行して、9時5分までにお風呂に入りました。これは「依頼と約束」の「結果」です。これに対して、しっかり「承認」することが肝心なのです。「素晴らしい」、「オッケー!」そんな一言でもかまいません。
依頼をすることよりも、その結果を認めてあげることが実は重要です。やったことを認めてあげる、それが約束を守ることの意義であり、ひいてはやる気を引き出せるのです。

この本を読むと、明らかに当時の私の指導は「命令と指示」がほとんどで、たまに「依頼と約束」の関係であっても、それに対して「承認」が乏しかったように感じます。
そしてコーチングやメンタルトレーニング、カウンセリングという知識を知らなかったことでたくさんの回り道をしたと思います。
これからも、もっと色々なことを勉強して、少しでも多く役立てるように頑張りたいです。


今年のカートウィールは、スタッフ皆で同じ方向を見て、とにかく走った一年だったと思います。おかげさまで会員の方も少しずつ増え、教室の内容について、子どもの様子や変化について、これからの方向性について、常に考えた一年でした。
エアートランポリンの導入や指導案の作成、プログラムの改善、これからも自分たちにできること、自分たちの「楽しい」と考える体操教室を目指して、変化のある教室にしていきたいと思います。

来年は新しいスタッフの雇用、一階プールの改装、施設内に整骨院も??・・
やりたいことは色々とありますが、その中に親御さん向けのメンタル講座も考えています。
教室に通って下さっている親御さんに是非、メンタル話を聞くチャンスを持っていただき、普段の息抜きに、また、お子さんとの関わりに・・たくさん感じてほしいと思っています。


来年も宜しくお願いいたします。
瀬尾真美