こんにちは。今回のスタッフブログは久保田和貴です。夏も近づいてきて、本格的に暑くなってきました。水分補給をこまめに摂るなど、皆さんも熱中症等体調管理には十分気をつけて、この暑さを乗り越えていきましょう!
さて、今回のスタッフブログは「後転」です。教室でも、マットの時間によく練習する後ろまわりですね。今回は僕なりに考えた、後転が上手に出来るようになるためのポイントを、写真を交えて説明していきたいと思います。
まず、成功ポイントをまとめました。
①まわるときの手は耳の横
②ダンゴ虫になる
③膝を見てまわる
④手をパーで着く
⑤足の裏から下りる
次に、失敗ポイントをまとめました。
①まわるときの手が耳の横にない
②まわるときに膝を見てない
③手がパーで着けてない
④膝から下りてしまう
これらのポイントを、写真を交えて説明していきます。
まず、成功ポイント①「まわるときの手は耳の横」の状態です。
この状態が後ろまわるの基本姿勢となります。この姿勢を崩してはいけません。この姿勢が崩れて、まわるときに手が耳の横にないと…、
こういう形になります。これが、失敗ポイント①「まわるときに手が横にない」状態です。この形は、後転が上手く出来ない子に多く見られる形です。手が耳の横にあることがなぜ大切なのかは、この後説明していきます。
次に、成功ポイント②「ダンゴ虫になる」です。写真をご覧ください。
この状態が「ダンゴ虫になる」状態です。反対に、ダンゴ虫になれていないと…
こういう形になります。この形も、上手に出来ない子によく見られる形です。もちろん体を小さく丸めたほうが上手に転がれます。でも、小さいお子さんや、体を丸める感覚がいまいち分からない子に、「もっと背中を丸くして!小さくなって!」と説明しても、なかなか形になりません。そういうときに、この「ダンゴ虫になる」を子どもたちに言えば、子どもはダンゴ虫を想像しやすいので、体現もしやすくなります。また、ダンゴ虫になることを楽しんで取り組んでくれるので、一石二鳥です。ダンゴ虫になって、小さく上手に転がりましょう。
次に、成功ポイント③「膝を見てまわる」の説明をしていきます。ダンゴ虫になった後に大切なのが、膝を見てまわることです。先に、失敗ポイント②「膝を見てまわれていない」状態をご覧ください。
この状態が、失敗ポイント②「膝を見てまわれていない」状態となります。この状態ではいくらダンゴ虫になっていても、頭が後ろに返っていることが原因で、後ろに回転する運動を停滞させることに繋がります。後ろにまわりたいので、どうしても先に頭を返して後ろを見たい気持ちは分かりますが、頭を後ろに返すことにより、体が開いて、せっかく作ったダンゴ虫の姿勢も崩れてしまいます。なので、
このようにまわるときは膝を見てまわりましょう。成功ポイント②の「ダンゴ虫」と、成功ポイント③の「膝を見てまわる」が合わされば、体はキレイに後ろに転がり、次に説明する段階へと進むことが出来ます。
次に、成功ポイント④「手をパーで着く」の説明をしていきます。ここが、一番重要なポイントとなります。写真をご覧ください。
この状態が手をパーで着いてる状態です。体がまわってくるまでは前半の動きとなりますが、ここからは後半の動きとなります。後半は地面を手で押して体を持ち上げ、立つために、前半までの体の状態を、ひっくり返さないといけません。そのときに、手をパーで着いていないと地面を押して体を持ち上げる動作が出来ません。こちらの写真をご覧ください。
この状態が、失敗ポイント③「手をパーで着けていない」状態となります。この状態では手の平が地面を捉えていないので当然、押してひっくり返るという動作が出来ません。地面を押してひっくり返る動作をするためには、必ず手はパーで地面にピタッと引っ付けなければならないのです。この、手をパーで着く、という一番重要なポイントのきっかけとなる動作が、一番最初に説明した「まわるときの手は耳の横」なのです。耳の横に手がないと、いくらパーで手が着けても押してひっくり返るという動作は上手くいかないでしょう。また、手が耳の横にあることで、ダンゴ虫になるときにある程度小さくなる、後ろまわりをする、という体勢が準備出来ます(最低でも上半身は)。手が耳の横になく自由にしとくと、後ろにまわるときに上半身が放り出された状態になります。そうなると、上半身が開いた状態(寝そべるような形)になり、まずダンゴ虫にもなれません。その状態でまわろうとして無理に足だけ持ってこようとしても、なかなか、丸くなって頭の後ろに足を持ってくることが出来ず、ただ足が上に上がるだけになり下半身が開いた状態になるので、背倒立のようになってしまいます。よって、後ろにまわろうとしても、転がれる体勢ではなくなってしまいます。まずは上半身の姿勢を作ることが大切です。そのために、手が耳の横にあることが大切になってきます。そのようないろんな要素が合わさっている中で、成功ポイント①「まわるときの手は耳の横」と、成功ポイント④の「手をパーで着く」は、動作が繋がっていて後転を成功させる重要なポイントとなります。
最後に、成功ポイント⑤「足の裏から下りる」を説明していきます。まず写真をご覧ください。
これが、足の裏から下りた状態となります。次にこちらの写真をご覧ください。
この状態が、失敗ポイント④「膝から下りてしまう」の状態です。後転は、いくら手で押してまわれても、最後に膝をついて着地してしまうと、それは完成ではありません。足の裏から着地することによって、正しい後転の完成となります。膝から下りないようにするためのポイントとして、
このように手で押してまわるときに、先に足先を地面(頭の後ろ)に着けてしまった方が、上手く着地に繋がると思います。このときにすでに、
このように膝がついてしまうと、その時点で完成形にならないので、手で押してまわるときに、足先から地面に着けてまわる意識をしてみましょう。
また、自宅でも一人で出来る練習法として、
このように、布団を重ね(※この写真ではマットを布団に見立てています)、角度のある坂を作り、その上から後ろに転がるという練習法も出来ると思います。こういった坂の上からなら、何もしなくても勝手に転がることが可能なので、恐怖心なく、楽しみながら練習を行えると思います。その中で、今回説明したことを意識して練習が出来たら、簡単に形も身に付くのではないでしょうか。
今回説明した「後転」、成功ポイントと失敗ポイントを是非参考にしてみてはいかがでしょうか。
久保田和貴