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スタッフブログ

2014.02.16
『台上前転』
こんにちは!今回のスタッフブログは久保田和貴です!
それにしてもこの間の大雪…すごかったですねえ…。僕は長野県出身なので、雪は慣れっこですが、それにしてもすごかったです。翌日は朝暗いうちから中村先生との雪かきで、これもまたいい思い出となりました。まだまだ寒い日が続くので、天候の変化には油断出来ませんね。

さて、今回のスタッフブログはとび箱の「台上前転」です。助走して、踏み切って、とび箱の上で前回りをする技ですね。教室では、とび箱の練習の過程の中で全クラス取り組んでいる技であり、学校の体育の授業でも必ず取り組む技だと思います。今回も僕の視点から考えたポイントを、写真を交えて説明していきたいと思います。ですが今回は、ポイントの説明はいつもより簡単に行い、台上前転習得までの様々な練習方法をより多く紹介していきたいと思います。
まずは台上前転の成功例を写真でご覧ください。











以上となります。ここから、成功ポイントと失敗ポイントを説明していきます。

♦成功ポイント
①「ジャンプをする」
②「支持をする」
③「お尻を上げる」
④「おへそを見る」
⑤「最後まで小さくなって回る」

♦失敗ポイント
①「ジャンプがない」
②「支持局面がない」
③「お尻が上がっていない」
④「おへそを見ていない」
⑤「途中で体が開いてしまう」

以上のポイントとなります。それでは説明に入ります。

まず、成功ポイント①「ジャンプをする」と、失敗ポイント①「ジャンプがない」の説明ですが、ここでの説明は簡単です。とび箱において、助走して、ロイター板を踏み切ってからのジャンプは必要不可欠です。踏み切ってからのジャンプがなければ、とび箱は何も出来ません。なので、速く走ってロイター板を踏み切ったら、とにかくジャンプをしてください!!

 次に、成功ポイント②「支持をする」と、失敗ポイント②「支持局面がない」の説明をしていきます。まず、写真をご覧ください。



この状態が、成功ポイント②の「支持をしている」状態です。踏み切りのあと、ジャンプをしっかりすれば、自然と体は上昇します。その上昇してきた体を、写真のようにしっかり両手で支え、支持をしてください。こうすることで、この後前回りをするための空間が、手と頭の間に生まれます。
反対に、失敗ポイント②「支持局面がない」状態の写真をご覧ください。



この状態です。せっかくジャンプをしても、この写真のように腕が極端に曲がり、体を両手で支えられていない、いわゆる支持が出来ていないと、体の上昇は止まってしまい、次に前に回るための空間が手と頭の間に生まれません。先ほどの写真と見比べてみれば一目瞭然だと思います。ジャンプをしたら、上昇してくる体をしっかり両手で支えましょう。

 次に、成功ポイント③「お尻を上げる」と、失敗ポイント③「お尻が上がっていない」の説明をしていきます。写真をご覧ください。



この状態が成功ポイント③「お尻を上げる」の状態です。写真のようにお尻をしっかり上げることが、体が前に回るための準備動作となり、前回りの運動に繋がっていきます。
次に失敗ポイント③「お尻が上がっていない」の写真がこちらです。



こちらですね。先ほどの写真と比べると、お尻が上がっていないのが分かると思います。この状態では、お尻が上がってきていないので、どうしてもこれ以上体は前に回ることが出来ません。つまり、お尻が上がってこないと体がひっくり返らないので、いくら前に前に回ろうとしても回れないのです。
この、お尻を上げる動作も、ポイント①の「ジャンプ」、ポイント②の「支持」の2つをしっかり行えば、出来ることだと思います。「ジャンプ」をすれば、体は上昇する。「支持」をすればお尻を上げるための余裕も生まれる。全ての運動は繋がっているので、1つ1つをしっかり意識して行っていきましょう。
 
 次に、成功ポイント④「おへそを見る」と、失敗ポイント④「おへそを見ていない」の説明をしていきます。写真をご覧ください。



この状態が、成功ポイント④「おへそを見る」の形です。前に回るとき、おへそをしっかり見ることで、上手にひっくり返り、小さくなって回ることが出来ます。
反対に、失敗ポイント④「おへそを見ていない」状態がこちらです。



こちらですね。おへそを見ずに前に回ろうとすると、写真を見て分かるように、おでこが着いてしまい、ひっくり返る動作が上手くいかず、小さく回ることも難しくなるので、前に回る動作を邪魔してしまいます。お尻はしっかり上がっているのに、これでは台無しです。回るときはしっかりおへそを見て、小さくなって回りましょう。

 最後に、成功ポイント⑤「最後まで小さくなって回る」と、失敗ポイント⑤「途中で体が開いてしまう」の説明をしていきます。まず、「最後まで小さくなって回る」の写真がこちらです。



この形です。前に回り切るところまで小さくなっています。
次に、「途中で体が開いてしまう」の写真がこちらです。



この形です。回り切る最後のところまで小さくなることを維持出来ず、体が大きく開いてしまっています。これではかっこいい前回りとは言えません。最後まで小さくなってクルっと速く回ることがかっこいい台上前転になるので、ここはとにかく!!最後までダンゴムシのように小さくなり続けて回ることを意識してください。

ここまでが、ポイントの説明となります。ここからは、具体的な練習方法をいくつか紹介していきたいと思います。

~とにかく前転を練習し、前に回る感覚を養う~







このように、マットに向かって前転の練習を繰り返し行い、前転の感覚を体で覚えましょう。

~マットを積み重ねていき、踏み切りの位置より高いところへ回る感覚を養う~

前転の感覚がついてきたら、マットを積み重ねていきましょう。先ほどの写真は、緑色のウレタンマット1枚でしたが、2枚、3枚と上にマットを積み重ねて高くして前転の練習をしていくことで、踏み切りの位置より高いところへ前転をする感覚を養っていきます。これで、とび箱で台上前転をするときのような、少し高いところに向かって前転をする“疑似台上前転”の練習になります。

~坂道を使い、最後まで小さくなって回る感覚を養う~











最後まで小さくなって回る感覚を養うために、写真のように坂道になっている用具を使用します。坂道という転がりやすい環境を作ることで、回りやすくなるので、自然と最後まで小さくなって回ることがより簡単に行うことが可能になります。このような環境づくりで、最後まで小さくなって回る感覚を養いましょう。

~トランポリンを使用して練習する~





このように台に手を着いて、トランポリンを使用し、ピョンピョンと連続でジャンプをします。ジャンプのリズムを合わせて、1・2・3!で…









このように台上前転の練習をしてください。この練習では、台に手を着いてジャンプをすることで、支持をする感覚を養い、さらにお尻をしっかり上げる感覚を養うことができます。
さらに、支持、お尻を上げるための感覚練習として、次の写真をご覧ください。



このように、三角のBOXを置き、それをまたいで手を着きます。この状態からジャンプをして前転の練習をすることで、より支持する力・お尻を上げることが必要になってくるので、さらなる感覚アップの練習になるでしょう。

~細いところで回る練習~



このような細い台を使用し、この台の上で前転の練習をします。細い台の上で前転の練習をすることで、まっすぐ回る感覚を養います。とび箱で台上前転を実施する際、まっすぐ回れなければとび箱から落ちてしまいます。なので、この練習でまっすぐ回る感覚を養いましょう。

以上が僕の視点から考えたとび箱における台上前転のポイントです。是非、参考にしてみてください。


久保田和貴