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スタッフブログ

2010.08.30
『メンタル』って?
先日、女子ゴルフの宮里藍選手が1987年の岡本綾子選手を抜いて日本人年間最多勝利記録を成し遂げました。
宮里藍選手といえば「メンタル」の大切さをいつもおっしゃっていますよね。
僕も同じように「メンタル」の重要性を体操競技を通じて感じていました。
では、スポーツ選手が常に言っている「メンタル」って何なんでしょうか?

スポーツ選手の練習は主に、テクニックを向上させるための練習(反復練習など)や、思い通りに身体を動かすための身体づくりのトレーニング(筋力・体力トレーニングなど)を行っています。
その結果、選手の身体には必要な筋肉がつき自由自在に身体を動かすことが出来るようになり、見る人を感動させるような素晴らしい技が出来るようになります。
でも、果してそれだけで宮里藍選手のように世界で戦えるようになることが出来るでしょうか?
いくら素晴らしい身体能力を身につけ技を磨いたとしても、それだけでは世界の大舞台で活躍することは出来ないのです。
そこには世界で戦っていくための「心」「メンタル」のスキルが必要になります。
そう!「メンタル」とは、「心・技・体」の「心」なのです。
「心」は「考え方」です。
人の考え方はそれぞれです。どういった場面でそれをどう考えるか。
どんな状況になっても自分の心を見つめることができ、前進させてくれるように考えることが出来る選手が「メンタル」の強い選手と言えると思います。

でも現状を見てみると、「メンタル」に重点を置いてトレーニングしているところは、どのくらいあるんでしょうか!?
なかなか「メンタル」のサポートまではまだ行き届いていないのかなと思います。
現状は、「技」はコーチに学び「体」はフィジカルトレーナーに身体のケアやトレーニングを見てもらう。そこまでになっています。

なぜ「メンタル」のスキルが必要なのかと言うと、
皆さんもきっと感じたことがあると思います。
自分が持っている「心」の弱い部分。

・習い事、練習、掃除、仕事などを「やりたくないなー」と思うとき
・人前に出るときに「緊張」する
・新しいことに挑戦するときに「不安」を感じる
・大事な場面でミスをして「もうダメだ」と思う

こういったことは全て「メンタル」のスキルでコントロールできることなんですよね。

例えば、
「掃除が終わったらケーキを食べよう!」と思いながら自分を掃除に向かわせる。
「今日はお気に入りの服で気持ちを盛り上げるぞ~」と大事なイベントの前には特別なことをしている。

などといったことは、誰もが日常で何気なく行っていることだと思います。これも「メンタル」を上手くコントロールするスキルです。
しかし、こういったことを何気なく行うのではなく、意図的に計画的に真剣に取り入れ、自分の「心」をコントロールしようとすることで「あの選手はメンタルが強いな~」と言われるような選手に育っていくのです。

■やりたくないときは⇒漠然とやるのではなく「1回だけ」「10分だけ」などと終わりを明確にするとか「好きな音楽を聞きながらする」「やり終えたら自分にご褒美をあげる」などと工夫する
■緊張するときは⇒そもそもなんで緊張するのかをしっかりと見つめる。
失敗したくないから?←それはなぜ?
恥をかきたくないから←なぜ恥をかきたくない?
知り合いが身に来ているから←じゃー、本番だけでなく、練習の時から知り合いに身に来てもらうとか、失敗したらなぜ恥なのか、などとその場しのぎではなく、少し深く考えてみることが必要かもしれません。
こんな具合に、問題に「なぜ?」と問いかけて掘り下げてみることで自分が持っている考え方の常識を変えてみることも「メンタル」のスキルです。
■新しいことに挑戦するときに「不安」を感じる
←新しいことに挑戦することは、自分だけでなく誰もが「不安」だと理解し、挑戦の先に不安を感じるのではなく、挑戦すること自体に喜びとワクワクを味わう。
■大事な場面でミスをして「もうダメだ」と思う
←1つのミスで勝敗は決まらない。最後まで諦めたいことが勝敗を左右すると考える。

様々な場面でネガティブな思考は生まれてきます。
大切なことは、ネガティブに考えないようにすることではなく、ネガティブな自分の思考を受け止め理解し、ポジティブな思考に置き換えることです。

自分の「心」を探求すること。
自分は今どう思っているのかな?
身体の調子が悪いけど「やりたくないから調子が悪くなっているのかな?」「本当に疲れていて調子が悪いのかな?」と自分の「心」を探求してみる。

練習を毎日するのも、新しい技に挑戦するのも、全てのトレーニングの前には「メンタル」をコントロールするスキルが必要不可欠となってきます。

そして「メンタル」をコントロールする方法の一つとして僕も意識していることをご紹介します。

‘望む姿のままに振る舞う’
全米でベストセラーとなっている「メンタルタフネス」ジム・レーヤー博士の書いた本の言葉です。

~自信のある人は、どのように振る舞うのであろうか。姿勢を良くしている人、権威をもって話す人、落ち着いている人。もしあなたが、姿勢を良くして、権威をもって話して、落ち着いていたら―
つまり、もしあなたが自信をもって振る舞えば―
そうするうちに、自信のある人になれるのである。~

人の「心」は弱いもので、自分の「行動」が「心」の弱さに引っ張られることがあります。
では、逆に自分の「行動」で「心」を引っ張ってしまおうという考え方です。
僕はすごくこの言葉に共感できて、自分の行動ってとても大事なんだなと思います。どれだけ不利な状況になっても下なんかは向きません。

上手く出来なくて下を向いてしまう
そうではなくて、上手くできないときは手にこぶしを作って胸を張って「出来るまでやってやる!」と振る舞ってみることですね!

自分の「心」に注目するだけで日々の行動が急激に変わっていきますよね。「メンタル」のスキルを向上させることはスポーツだけではなく、日常においてもビジネスにおいてもとても重要なことだと思っています。

今、僕はメンタルトレーナーとしてアイディア・ヒューマンサポートサービスで「トップメンタルトレーニング」という講座を大人の方に向け行っています。
この大切な「メンタル」をどうやって体操教室の中で子どもたちに伝えていけるかが僕のチャレンジだと思っています。

かなで先生が『楽しむ』をテーマに書いたスタッフブログで、
~江古田の体操教室では一期を10回コースで開講しています。10回分のテーマを決めて、教室の始めにそのテーマ読み上げます。~
と書いてくれていましたが、その中には「失敗しても下を向かない」や「今を全力で頑張る」などがあります。子どもたちには体操だけではなくて、いろんなことを伝えていきたいと思っています。常に新しい教室を目指しているので日々試行錯誤で、まだまだ十分ではないと思っていますが、僕たちの強みはどんどん変化させることが出来ることだと思っています。

スタッフブログを書きながらいろんなイメージも膨らんだので、改めて書くことの大切さを感じ、もうすぐ2期が終わりますが、3期に向けても変化を恐れず「楽しんで」頑張っていきたいと思っています。              米田功