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スタッフブログ

2010.10.15
‘本番で力を発揮するためにはどうすればいいか’
こんにちは。米田功です。
今年から子どもたちと体操を通じて関わることが多くなり、もっと教育について勉強したいなと思いながら読んでいたPHP文庫の「頭のいい子が育つパパの習慣」著者 清水克彦氏の本にこんなことが書いてありました。

ハーバード大学の心理学者、ローゼンタール氏とヤコブソン氏が実施した実験結果にピグマリオン効果というものがある。
子どもたちに知能テストを実施したローゼンタール氏らは、子どもたちの担任の先生に、「この子どもたちが近い将来、学力が大きく伸びる子どもたちです」と何人かの名前を挙げた。
実は、名前が挙げられた子どもたちは別に成績がよかったわけでなく、ローゼンタール氏らが無作為に選んだ子どもたちだったのだが、数ヵ月後、他の子どもたちに比べ、学力が飛躍的に伸びていたのである。

では、何が適当に選んだ子たちの成績をアップさせたのでしょうか?

それは先生のその子たちの見る目です。
無作為に選ばれた子に対して、無意識のうちに期待をもって接したことで、子どもたちの学力は本当に伸びてしまった。


僕はこの文章にとても共感できました。
これは自分自身に対してもそうだなーと思ったからです。自分のことを自分はどんな目で見ているかは大事ですよね。どれだけ一番になりたくても、自分自身が自分は一番になれるような人間じゃないと思っていたら、叶うものも叶わなくなるかもしれませんよね。

今、僕はオランダで体操の世界一を決める大会の解説者として来ています。
そこで、‘本番で力を発揮するためにはどうすればいいか’を考えてみました。
当たり前ですが、一番に考えることは日々の練習です。
寝起きで大会に行っても出来るくらいまでに仕上げる。歩くことと同じようになれば、失敗なんてしないですからね。
歩くことと同じようにするということは、無意識でもできるレベルになっているということです。

ですが、練習以外で出来ることを考えると。
それは‘自分は本番に強いんだ’と思うことなんじゃないかと思います。

自分自身のことを‘出来る人だ’と扱うことです。
まさに自分が自分のことを見る目です。

今大会の選手たちに‘あなたは本番に強いですか?’という質問をしたらどんな答えが返ってくるんでしょう?
もし、本番に強くなって欲しいと思う人(自分やその他の人)がいたとしたら、その人を本番に強い人だとして扱うことかもしれませんね。


大会など大事な場面でミスをした時に
「(自分は/あの子は)本番に弱い」と扱うか
もっと見方を変えて
「(自分は/あの子は)ああいうところが本番に強い」
「こんなこと(ミスなど)があったのに、こういう風に(出来たところに焦点を当てる)出来るのは、やっぱり本番に強いから」
と、あくまで本番に強い人として扱うか。

人は‘扱われるようになる’と考えると、扱われ方には注意しないていけません。

弱音ばかりはいて自信の無い選手として扱われるか、弱音をはきたくてもグッとこらえるかは未来への勝負の分かれ目です。

僕はこれまで自分自身を見る目に関して、自分のことを出来ない人として扱ったことは一度もありません。
誰が何と言おうと「自分は何でも出来る」と思っています。

そして、扱い方にも注意しないといけませんね。
自分や相手にもっともっとと願えば願うほど、「出来ない人」を強化してしまうこともあるかもしれません。
今回は「本番で力を発揮する方法」というテーマから、自分や自分以外の人への扱い方の重要さを考えさせられました。
僕はこの「ピグマリオン効果」が大好きです。
改めて自分自身に「出来る人として扱ってる?」と問い続けていきたいと思います。


今回は、世界選手権が行われているオランダからの投稿です。
会場で選手を見ながら思います。
いったいどこまで技は進化するんだろう
どうしてこんなことが出来るんだろう

‘人間の可能性は無限大’

その可能性を無限大にしているのは、選手やまわりのスタッフの皆が、どんな場面に直面しても選手自身をを出来る人として扱っているからだと思います。


今回は、その無限の可能性と体操の魅力を解説者としてお伝えしていきたいと思います。
解説者としての自分自身の可能性も信じて。

今大会の目標は、団体で金メダル!
是非、日本選手の頑張りを見て下さい。