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スタッフブログ

2010.12.17
『フル・エンゲージメント-2』
 こんにちは、セオです。
 今年も残りわずかとなりました。
暖かかったり寒かったりと1日の気温の差が激しく、着るものに戸惑います。
ノロウィルスやマイコプラズマ肺炎も流行っているようですが、皆さん体調はいかがでしょうか。手洗い、うがいをしっかりしてこの冬を乗り越えたいものですね。

 さて、前回のブログでジム・レ-ヤ-博士の『4つのエネルギー管理術』という本をご紹介させていただきました。勢いよく本の内容をご紹介したので、少し難しく感じたかもしれません。
 フル・エンゲージメントとは!!と、パフォーマンスを引き出すために必要な力について書きましたが、今まで耳にしなかった言葉だったかと思います。
 私もこの本に出会うまでは知りませんでした。そして私が、最大のパフォーマンスを引き出すフル・エンゲージメントと聞いて想像した場面は、試合で集中する時や、仕事でのプレゼンなど、少し特別で力を発揮したい場面でした。
 でも実際、本を読んでいくとそういう場面だけでなく、実は日ごろから必要なエネルギーなんですよね。

 4つのエネルギーとは肉体面、情緒面、頭脳面、精神面のことを言っています。
 肉体面とは身体的なエネルギーのことです。睡眠をしっかりと取ること、栄養は食べたいものではなく必要なものを取ること、運動を意識してすること。1日の中にメリハリのある生活が大切です。
 情緒面とは感情のことです。頭脳面とは思考のことです。ネガティブなことばかり考えて前進しない人はなかなか物事が上手くいきません。肯定的に考えて前進するほうがその場で止まっているより良い結果が生まれますよね。
 精神面とはスピリチュアル的なもので自分の価値観や生き方です。人には色々な価値観があります。自分はどんな価値観を持った人間なのか、どんな生き方をしたいのか、きちんと考える必要があります。そして自分の満足のいく生き方をするために、ポジティブな感情や思考を持つこと、土台となる身体に気を使うことが必要なのです。
 この4つのエネルギーが1つでも欠けるとよいパフォーマンスはできません。

 意識の高いスポーツ選手は運動や栄養、睡眠を心がけて常に良い結果を求めて生活している人が多いと思います。競技成績や競技歴が上がるにつれ、自分にできることを探し、より身体づくりへの意識が高くなる人も多いのかな・・とも感じます。
 今、将来の自分の目標のために、練習以外に食事や睡眠にも気を配っている選手は素晴らしいですよね。
 逆に、会社で働くようになるとなかなか肉体面に気を使う機会が少ないのではないでしょうか。
 私もジャケット着用の会社に勤務して初めて、一般の人はこんなに身体を動かす機会がないのか・・と実感しました。勤務時間も長く、意識をしないと食事や睡眠に気を使うことも難しいなと感じます。
 それ以前に、よいパフォーマンスをするために肉体面のエネルギーが必要だということに気づいて実行することが必要かもしれません。
 運動をすると疲れると思っている人も多いですが、実は運動をしないと疲れやすくなります。食べるものが自分を作ります。心の安定のためにも肉体的な土台作りは大切なんですね。


 時間を管理している人は多いと思います。
「人生を変える」スケジュール帳など、今、手帳が人気ですよね。
ジム・レ-ヤ-博士は優れたパフォーマンスを引き出す鍵は「時間」ではなく、「エネルギー」にあると言います。例えば、家族との時間を大切にするといって食事を一緒にしても、そこで携帯電話をいじっていると、それは家族との時間にエネルギーを注いでいることにはならないということです。子どもと向き合う時間、仲間と向き合う時間、一つの仕事、練習など今、この瞬間にどれだけのエネルギーを注いでいるかが鍵なんですね。きちんとエネルギーを注いでいれば他人のせいにしたり、周囲の環境のせいにせず、自己責任での解決にもつながります。「時間」ではなく、「エネルギー」という意味はこういうことなんですね。

 ポジティブな儀式とありました。
ポジティブな儀式を作ることは、フル・エンゲージメントを目指して効果的な管理をするうえで、一番役に立つ方法だと書いてありました。
 人は習慣の生き物です。普通の習慣は、5%は意識的に、残りの95%は無意識に行動しているといいます。普通の習慣は意思が必要で繰り返し行うことで身体が覚え、毎日かかさずすることで習慣になります。歯を磨く、顔を洗うなどは親から繰り返し教えられたことで、いつの間にか習慣になっていった意識的な行動なんですね。
 たまに体操クラブに行くと、小さい子どもたちが「こんにちは」と大きな声で挨拶をし、さっと椅子を出してくれたりします。プロテクターやテーピングなど、敬意を持って道具を大切に扱っています。感謝を持って毎日使った体育館を掃除をすること。こういう礼儀を教えられた子どもたちは、繰り返し行うことでいつか習慣になり、将来「気がきく人間」「感謝できる人間」になることを先生方は望まれて指導しているのかもしれませんね。
 
 「朝起きたら朝日を浴びる、挨拶をする、家族と並行作業をしない、1日1回笑顔で鏡をチェックする」など、自分にとってのボジティブ儀式をたくさん作って習慣になっていくといいと思います。

 私は、フロリダにある施設に、このフル・エンゲージメントのプログラムを受けに行きました。行って感じたことは、綺麗に整備された環境、そして笑顔が絶えないスタッフたちの素晴らしさです。スタイル、放つオーラが生き生きとしていて、エネルギーを持った人の素晴らしさを、プログラムを受ける前から感じることができました。
 実際にプログラムを受けて、私は自分のミッションが明確でないことに気付きました。今まで、私を動かしているものは‘責任感’がとても強く、特に自分のやりたいことなのか、自分にとって大切なものは何なのか、考えずに行動していました。そのために自分を苦しめていることや前進を止めていることも多々ありました。一番近くで大切な人に、自己中心的な考えで接し、甘えている部分にも気付きました。
 まずは今の自分を知る。私の価値観は何か。そしてどうなっていきたいのか、何が大切なのかと考える、そのためには全てにフル・エンゲージメントでいることが必要なんだと思える、とても大切な時間を過ごすことができたと思います。

 ここまで書きましたが、フル・エンゲージメントに向かって生活を変えるためには、「目標を設定する」「真実と向き合う」「行動を起こす」という三段階のプロセスを経る必要がある・・とあります。
 まず人は自分の価値観に通じる「目標」がないと、なかなか行動を変えることは難しいと思います。そして今の自分を知ることが必要です。どんな生活をしているのか、自分が本当のところ、どれだけ仕事や大切だと思っている人に情熱を持って関わっているか、自分の都合のいいところにばかり目を向けたり、逆に被害者意識を持ったりしていないか。
 そして真実と向き合うことで、「なりたい自分」との溝を埋める行動につなげます。

 私はこの本は、スポーツを頑張っている選手にも、ビジネスマンにも、主婦にも、他分野を目指す人にも、あらゆる人に問うことができると書きました。
何かを感じ取ってもらえる本だと思います。
 なかなか今までの自分を変えることは難しいです。でも目標や大切なものに向かって95%の無意識にアプローチする。今の自分に目を向ける。1つずつでもやってみてはいかがでしょうか。
 
 私も体操教室で子どもたちと関わる時間、仲間と過ごす時間、家族といる時間、将来に向けてどんな自分でいたいのか、フル・エンゲージメントで今を夢中で没頭できるようにしていきたいです。

皆さん、少し早いですがよいお年を。
来年も宜しくお願いいたします。では・・

瀬尾真美