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スタッフブログ

2012.06.26
『失敗しても下を向かない』
皆さんこんにちは。米田です。

いよいよオリンピックも間近に迫ってきましたね。僕は現地に解説者として向かうので、選手の練習見学や、取材などで日々を過ごしています。
ロンドンオリンピックでの体操の見どころの一つといえば、内村航平選手が金メダルと目標を掲げている、男子体操の団体戦ではないかと思います。日本の最大のライバルは、やはり北京オリンピックから常に勝ち続けている中国。ただ、日本との差はいつも僅差なんです。だからこそ悔しいし、今回こそは!といった感じです。


僕が考える団体戦のポイントは2つあります。
①ロンドンオリンピックでは、これまでの代表6名から5名になりました。これによって一人にかかる負担が大きくなり、各種目に絞って強化してきた中国よりも、常に全ての種目を重視してきた日本に有利なのではないかと思っています。
②北京オリンピック金メダルから、二連覇のかかる中国が感じる重圧。どんなことでも連覇をするということは、難しいことだと思います。この重圧が中国選手に与える影響が、どう結果に左右するかも勝負のポイントになります。

個人総合ではおそらく、金メダルを獲得するであろう内村選手が全てをかける団体戦を是非、見て下さい。

また、体操以外で僕が注目しているのは水泳の北島康介選手。
これまでアテネ、北京と二大会連続で2つの金メダルを獲得している偉大な選手です。僕がアテネオリンピックを目指す過程において、非常に影響を受けた選手でもあります。
そして、レスリングでは吉田沙保里選手。伊調馨選手。共に三大会連続の金メダルがかかります。

自分自身だったり、周りからだったり、常に様々な期待を寄せられる中で、結果を出し続けている選手から多くのことを感じたいので、注目して応援しています。


さて、そろそろ本題に。
今回は10個の教室テーマとして掲げている「失敗しても下を向かない」についてです。
現役時代に僕は、多くの選手を見て感じていたことがあります。
それは、「なんで失敗したときに下をむいちゃうんだろう。そこで下を向くから、気持ちが落ちてしまうのに…」
失敗というのは、その失敗自体が怖いのではなく、その失敗によって気持ちが落ちてしまうことが怖いのです。

僕自身は経験の中で、調子のいい時は顔が前を向いていて、失敗した時、調子の悪い時はいつの間にか顔が下がっているということ発見し、出来事ではなく、自分の行動が自分の気持ちを落としていると気が付きました。それ以降は、自分の行動(振る舞い)に気を付けるよう、何気なく振る舞うのではなく、意図的に前を向いて堂々と振る舞うようにしていきました。
そうするうちに、次第に感情と行動が切り離せるようになり、感情に支配されない自分を確立できるようになりました。

失敗が成功へとつながることは誰もが知っていることです。であれは尚更、失敗した時には下を向くのではなく、堂々と前を向いていればいいのではないかと思っています。

〜行動でしか人生は変えられない〜

僕がカウンセリング・メンタルトレーニングを学んだスクールの代表である浮世満理子先生は言います。
どれだけ理想の体型のイメージを膨らませて、計画を綿密に立てていても、何も行動を起こさなければ、体に変化は起こりません。逆に、何も考えていなくても、腕立てを毎日やっている方が体に変化は現れてきます。

そんな大切な行動を止めるものが「感情」なのです。また、プラスの感情もマイナスの感情も、自分の起こす些細な行動が左右していて、気づかずしている行動もあるかと思います。
失敗したときに自然と下を向いているのも、まさに無意識の行動です。

「感情」と「行動」はお互いに影響し合うので、自分の日頃の行いに目を向けて欲しい。
・簡単に下を向かない
・元気よく挨拶をする
・感謝の言葉を口にする
・ゴミを拾う、掃除をする、席を譲るなど良いことをする
…などなど。

良い行動が、自分の感情に良い影響を与え、最終的に人生を変えることのできる行動につながる。

「失敗しても下を向かない」に込めた僕のメッセージです。


子どもたちとは、このテーマを通して、
「しんどいしんどい」って言ってたらどんどんしんどくなっちゃうんだよ。「嫌だ」や「無理」を連呼していたらどうなる?下を向いていたらどんな気分になる?
逆に「できる!」や「大丈夫!」と言葉にしていたら?どんな時でも上を向いていたらどうなる?
と考えてもらい、行動(言葉にする、態度に表す)が自分の気持ちに与える影響を理解してもらえればと思っています。

米田功