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スタッフブログ

2012.07.29
『熱中症』
ロンドンオリンピックが始まりました。
開会式はイギリスらしい素晴らしい演出で、楽しくもあり感動しました。
各国の入場はいつ観ても好きです。やっぱり美人が多いなぁ~と思いながら。
どうしても大会が見たくて、寝不足の日々が始まった方も多いのではないでしょうか。
待ち望んでいたオリンピックも、始まるとあっという間に競技が終わっていきます。すでにドラマが・・・選手の努力と人生をかけた夢の大舞台、一瞬一瞬を見逃さないように観たいです。
 
さて、今日は「熱中症」について書きたいと思います。
最近は、毎日のように「熱中症」について、テレビでも話題になっているので、ほとんどの方が知識はあるかと思いますが、自分の勉強の為に書きたいと思います。

熱中症とは、体温の上昇と、それを抑える仕組みのバランスが崩れた状態です。
暑熱環境で発生する障害の総称で、熱失神、熱けいれん、熱疲労(熱ひはい)、熱射病などに分けられます。この中で、もっとも重いのが熱射病で、これは死亡事故につながります。
気温や湿度が高かったり、風が弱かったり、日差しが強かったりなど環境で体内の水分や塩分のバランスが崩れると、十分に汗をかけなかったり、血液の流れが悪くなって体に熱がこもって熱中症につながります。
 
熱失神の場合、皮膚血管の拡張によって血圧が低下し、脳血流が減少しておこるものです。
めまい、失神などがみられます。顔面そう白、呼吸回数の増加、唇のしびれなどもみられます。脈は速くて弱くなります。
 
熱けいれんの場合、大量に汗をかき水だけを補給して血液の塩分濃度が低下した時に、足、腕、腹部の筋肉に痛みを伴ったけいれんがおこります。暑熱環境下で長時間の運動をして大量の汗をかくときにおこるものです。
 
熱疲労(熱ひはい)の場合、大量の汗をかき、水分の補給が追いつかないと脱水がおこり、熱疲労の原因となります。脱水による症状で、脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などがみられます。
 
熱射病の場合、体温の上昇のため中枢機能に異常をきたした状態です。意識障害(応答が鈍い、言動がおかしい、意識がない)が特徴で、頭痛、吐き気、めまいなどの前駆症状やショック状態などもみられます。また、全身臓器の血管が詰まって、脳、心臓、肺、肝臓、腎臓などの全身の臓器障害を合併することが多く、死亡事故率も高くなります。
 
 
暑さへの耐性は個人によって大きな差があります。体力の低い人、肥満の人、暑さになれていない人、熱中症を起こしたことのある人などは、暑さに弱いので運動を軽減する必要があります。筋肉で発生した熱は血液によって皮膚に運ばれ放散されるので、熱の放散能力には循環機能が関係します。持久的体力の低い人は循環機能も低いので暑さにも弱いということになります。
 
乳幼児から中学生くらいまでの子どもは、大人に比べ、汗をかく能力が未熟で運動時に血液が体表に熱を運ぶ能力が不十分な上、体が必要とする水分量が多く脱水状態になりやすい・・などの理由から発症しやすいようです。
 
スポーツで主に問題となるのは熱疲労と熱射病です。
主な症状と見分け方、処置法について「知っておこう!熱中症の予防と応急処置」に載っていましたので参考とさせていただきます。
 
■筋肉がけいれんしているなら(熱けいれん)
けいれんしている部分をマッサージする。また体の特定の部分が冷えているなら、その部分もマッサージしていく。
 
■皮膚が青白く、体温が正常なら(熱疲労)
心臓より足を高くして、あおむけに寝かせる。水分が摂れるなら少しずつうすい食塩水かスポーツドリンクを何回かにも分けて補給する。
 
■皮膚が赤く、熱っぽいなら(熱射病)
上半身を高くして座っているのに近い状態で寝かせ、とにかく体を冷却。首、わきの下、足の付け根など、血管が皮膚直面に近いところを氷などで集中的に冷やす。氷がない場合は、水を体にふきかけ、風を送って冷やす。アルコールで体を拭くのもよい。このとき注意するのは、体の表面だけを冷やして震えをおこさせないこと。
 
○意識がはっきりしない場合は
反応が鈍い、言動がおかしい、意識がはっきりしない、意識がない。こういった場合はすぐに救急車を呼ぶ。同時に応急処置(涼しい日陰やクーラーのある室内に移動・衣類をゆるめる・体を冷やす・水分補給)をする。また、意識がはっきりしない、もしくは意識がない場合の水分補給は厳禁。また、吐いてしまった場合はのどを詰まらせないように横向きに寝かせる。
 
○病状が回復しても必ず病院へ
回復したつもりでも体内に影響が残っていたり、再発のおそれもある。熱中症になったら、回復した後でも必ず病院で診てもらう。
 
熱中症は、回復すれば終わりというものではないようです。熱中症で体温が高くなると、大腸菌でつくられた内毒素が血液中に漏れ出て、体温が正常に戻っても体の抵抗力が弱まるという研究結果もあるそうです。熱中症になった場合は、病院を受診して大事をとるとともにしばらくは体の様子をみる必要があるようです。
 
熱中症の予防には、こまめに休憩をとり水分補給をすること、早寝早起き・朝ごはんを食べるなどの規則正しい生活を守ることがポイントです。また、普段から涼しい時間帯にじっくり汗をかくような運動を行い、暑さに強い体を作ることも大切です。そして無理はしないこと。小さな子どもは自分で症状に気づきにくいため、周りの大人が気にしてみる必要があります。
 
体操教室の子どもたちも汗だくになって頑張っています。
夏休みになりました。熱中症にならないために日ごろの生活習慣を整えて元気に体を動かしてほしいと思います。そして教室中は水分補給をこまめにさせて、しっかりと子どもたちの顔を見ながら、楽しく体操ができるように進めていきたいと思います。
 
瀬尾真美