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スタッフブログ

2013.08.01
『宙返り』
 こんにちは。今回のスタッフブログは瀬尾はやみです。
最近、毎日暑い日が続きますね。体育館も毎日30℃を超える日々ですが、子供たちが元気に走り回ったり、体操教室を頑張っている姿を見ると、「私も負けていられないなぁ!」という気持ちになり、毎日元気をもらっています。
さて、今回のブログのテーマはリクエストのあった「宙返り」(バク宙)です!!体操教室では高学年クラス・アクロバットクラスの子供たちが練習している技です。
今回は、この宙返りについて私なりに考えたポイントと写真を交えて説明していきたいと思います。写真による見本は、若さ溢れる(私も負けていませんが・・・笑)かずき先生にお願いしました。

まず、基本ポイントです。
①腕の振りのタイミング合わせる(体勢も含める)
②上にジャンプをしながら腰をいれる
③足を引き付ける
④ゆかを確認して着地

次に失敗に繋がるポイントです。
①腕の振りのタイミングが合わない(体勢も含める)
②ジャンプで腰が引ける

以上が挙げられます。
今挙げた基本ポイントと失敗に繋がるポイントを写真を交えて説明していきたいとおもいます。

まず、基本ポイント「①腕の振りのタイミングを合わせる(体勢も含める)」と失敗に繋がるポイント「①腕の振りのタイミングが合わない(体勢も含める)」を同時に説明していきます。
腕の振りは1・2・3のリズムで腕を、前・下・上に振ります。このポイントは次のジャンプに繋がる大切なポイントです。

まずは1の姿勢

腕を前に伸ばし、体に力を入れ、肩の力を抜いて真っ直ぐな状態で立ちます。この姿勢をすることで腕を振る準備をします。

次に2の姿勢

2の姿勢は腕を下に振りながら、膝を曲げ、重心を下に下げます。
このときに腰が引けすぎたり(下の写真、左)、上半身が後ろに倒れると(下の写真、右)、重心が真下に下がりません。そのため、次につなげるジャンプが正確に跳べなくなる原因になるので、形が崩れないように注意しましょう。


(腰が引けている状態)         


(上半身が倒れている状態)

最後に3の姿勢を1・2の写真の流れから説明していきます。
3の姿勢は、2の姿勢から腕を振るタイミングと膝を伸ばすタイミングを合わせて勢いよく伸び上ります。タイミングが合うと図1-(3)のような姿勢が、伸び上るときに作れます。

・図1
(1)


(2)


(3)


・図2
(1)


(2)


(3)

図2では(2)の姿勢の時に上体が前に倒れています。この状態だと(3)で伸び上がろうとするときに、腕の振りと体全体が伸び上るタイミングが合わず、膝が前に抜けてしまう可能性があります。

・図3
(1)


(2)


(3)

図3では(2)の姿勢の時に上体が後ろに倒れています。この状態だと(3)で伸び上がろうとするときに、「膝は伸びているが、腕が振れていない」という状態になることがあるので、タイミングが合わず、後ろに倒れる可能性があります。
また、図2や図3で説明した以外にも、図2の(2)のように、上体が前に倒れていても、図3の(3)のように腕が振れていない状態になったり、図3の(2)のように状態が後ろに倒れていても、図2の(3)のように腕は振れているのに、膝が前に抜ける。などいろんな形が出る可能性があるので、図1のように「腕の振りのタイミングを合わせる(体勢も含める)」を気を付けて行いましょう。

次に基本ポイント②「上にジャンプをしながら腰をいれる」と失敗に繋がるポイント「ジャンプで腰が引ける」を説明していきます。
初めに説明した「腕の振りのタイミングを合わせる(体勢も含める)」を意識できたら、そのまま上に向かってジャンプを行います。宙返りは空中で1回転をしなければならないので、上に向かってジャンプすることが高さを出すことに繋がります。(図4)

・図4


この上に向かってジャンプをするときに、失敗に繋がるポイント②にあるように、腰が引けると

このような状態になります。腰が引けると宙返りが出来ないわけではありませんが、腰が引けることで、体が真っ直ぐな状態でジャンプが出来ていないので、高さが出ず、回転するスピードもつきにくくなります。


これが、基本ポイント②にある「上にジャンプをしながら腰をいれる」です。ジャンプをした際に腰を入れることで、上に伸び上がることが出来、さらに高さがでて体を空中でコントロールしやすくなります。なぜ腰を入れることか体のコントロールに繋がるかというと、例えば、「固い定規の端と端を持って、反らした状態で手を放すと元にもどる」というように、物理的に反った物は戻ろうとする原理と同じで、宙返りも腕を振りながら腰を入れることで、反る形が生まれて、次の基本ポイント③にある「足を引き付ける」動きがスムーズにいくことに繋がってくるからです。なのでジャンプをするときは腰を入れることも意識をしてやってみてください。


今までに説明をしてきた、基本ポイントの①、②のポイントが出来たら、次は基本ポイント③「足を引き付ける」の説明をしていきます。ここでのポイントは、宙返りにおいて最も重要なポイントの1つである、「回転力」に繋がる動作となります。


上の写真のように、足を引き付けることにより、空中での体の動きが変わり回転力が付きます。①、②の基本ポイントができていればいるほど、足を引き付け、回転力をつけるという動作に繋がりやすくなります。反対にジャンプ時に腰が引けていると、足を引き付けにくい体制になり、体全体を後ろに回転させる動作がしづらくなります(腰が引けることにより、下半身を上に持ち上げて体をひっくり返す動作がしにくいため)。簡単な例で言うと、その場で背筋を真っ直ぐ腰を入れて立った姿勢で、片方の膝を胸までくっつける動作は簡単ですが、背筋を伸ばしたまま、腰だけ引いて、片方の膝を胸に引き付けようとするのは体勢的に無理があるのと同じように、宙返りをするときも同じことが言えます。なので、①、②のポイントが正しく完成されていれば、それだけ③の「足を引き付ける」ポイントにつながり、宙返りで大切な回転力に繋がるのです。

最後に基本ポイント④「ゆかを見て着地」です。




ここでのポイントは単純なことで、最後の着地は地面を確認しないとできないので、空間の中でしっかり目を開き、自分が空中でどの状態にいるのかを確認しながらやり、最後の着地点を自分で見に行くことが大切だということです。

以上が、私なりに考えた、宙返りを覚えるために必要なポイントとなります。
ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか。

瀬尾はやみ