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スタッフブログ

2013.08.26
『倒立前転』
こんにちは!今回のスタッフブログは、久保田和貴です。暑い日がまだまだ続きますが、皆さん体調の方はよろしいでしょうか。僕は、体操教室の保護者の方々から「痩せた」「顔がゲッソリしている」と言われ、これも暑さのせいなのかな、と感じつつも自分の体調が知らず知らずのうちに崩れているからそう見えるのかな、と少し心配になっています。(笑)
 さて、今回のスタッフブログは『倒立前転』です。倒立をしてから前転に繋げる、立派な体操の技の一つです。今回もいつものように僕なりに成功ポイント・失敗ポイントを何点か挙げ、写真を交えて分かりやすく説明していきたいと思います。

まず、成功ポイントを挙げます。
①「倒立時にマットを見る」
②「優しく足を振り上げて倒立をする」
③「倒立時に足を閉じる」
④「前転時にはおへそを見て、頭の後ろをマットに着く」
⑤「前転時に力を抜かない」

次に、失敗ポイントを挙げます。
①「倒立時にマットを見ていない」
②「足の振り上げの勢いが強すぎる」
③「前転時におへそを見れていない・頭の後ろを着けていない」

以上の点を踏まえて、写真を交えて説明していきます。

 まず、成功ポイント①「倒立時にマットを見る」です。これは以前僕が書いた『振り上げ倒立』のブログにも記載しましたが、倒立の基本は「マットを見る」ことです。

この状態ですね。これが倒立の姿勢に繋がります。反対に、失敗ポイント①「倒立時にマットを見ていない」状態だと・・・

このような状態になります。この写真では極端に体現していますが、倒立時にマットを見ていないと倒立の正しい姿勢が作れませんし、この後に腕で体重を支えきれずに倒立姿勢から崩れ落ちていく原因になります。まずは基本の「マットを見る」ということを徹底しましょう。

次に、成功ポイント②「優しく足を振り上げて倒立をする」です。ここで言う「優しく足を振り上げる」という表現は、要は「倒立に上げるときに、勢いを付けすぎないように」ということです。なので先に、失敗ポイント②「足の振り上げの勢いが強すぎる」の例を写真で説明していきましょう。コマ送りのように写真を載せていきます。

(失敗例写真:1)


(失敗例写真:2)


(失敗例写真:3)


以上の3つの写真が失敗ポイント②「足の振り上げが強すぎる」の失敗例です。
次に成功ポイント②「優しく足を振り上げて倒立をする」の成功例を見ていただきます。

(成功例写真:1)


(成功例写真:2)


(成功例写真:3)


(成功例写真:4)


(成功例写真:5)


(成功例写真:6)


以上が成功ポイント②「優しく足を振り上げて倒立をする」の成功例です。

どこがポイントとなる箇所なのかを写真で見比べていきましょう。ポイントとなる箇所はここです。

(失敗例写真:2)


(成功例写真:2)


2つの写真の、僕の左足(写真手前側の足、振り上げるときの後ろ足)の位置を注目して見比べてください。失敗例写真:2(足の振り上げの勢いが強すぎる)の方では、足を振り上げた時点で、倒立の姿勢を作る前に、すでに左足が倒立位を経過してしまっています。これでは、しっかりとした倒立の局面を作ることが出来ずに、体は前へ前へと勢いで流れていってしまいます。すると、失敗例写真:3のように、最後は勢いに体のコントロールが追い付かないまま、体だけが前に流れて足や頭が先についてしまう形になってしまいます。
一方、成功例写真:2(優しく足を振り上げて倒立をする)の方では足を振り上げたとき、左足はしっかり倒立位の局面に位置しています。足を振り上げる勢いを、強くしすぎると失敗例のようになりますが、勢いを少し緩めて、優しく足を振り上げることにより、振り上げた後ろ足の位置がより倒立に近い位置に定まるため、そのあとの倒立の姿勢を作りやすくなります。倒立の姿勢が作れる、ということが、次の前転の動作に対する体の動作コントロールにつながります。失敗例のように、勢いで体のコントロールが追い付かなければ、前転の動作も自分でコントロールすることが出来ません。なので、倒立前転は「優しく足を振り上げて倒立をする」ことを心がけましょう。

次に、成功ポイント③「倒立時に足を閉じる」です。先ほど、上記で説明したように、倒立前転は倒立の姿勢を作ることが大切です。倒立の姿勢を作ったとき、「足を閉じる」という意識を常に持ってください。倒立前転は、「倒立で足を閉じる、足を閉じて形を整え、倒立を静止させてから前転をする」という意識があれば誰でも形になります。足を閉じることで、全身に力が入るため、倒立は止まりやすくなり、倒立での体のコントロールにもつながります。足が開いたままだと、倒立の姿勢が整えられず、「倒立の形を整え、静止してから前転する」という意識の質も下がります。とにかく、「倒立に上げたら足を閉じる、閉じて止めてから前転する」という声掛けを、補助と同時に徹底して行えば、子供たちは自然と、「倒立の形を作る、それから前転をする」という流れを体で覚えていきます。

足を振り上げたら、

↑こうでなく・・・

↑こうです!

次に、成功ポイント④「前転時にはおへそを見て、頭の後ろをマットに着く」です。
この状態です。

前転時には、この状態を作りましょう。おへそを見ることで首が中に入るので、頭の後ろを着くことにも繋がり、体も丸くなることが出来るので、前転の形にもっていくことが出来ます。
反対に、失敗ポイント③「前転時におへそを見れていない・頭の後ろを着けていない」の状態がこちらです。

おへそが見れていないとこのように、頭は中に入らず残ったまま、体も丸くなれないといった状態になるので、前転の形に繋がりません。なので、倒立前転をするときは、「前転時にはおへそを見て、頭の後ろをマットに着く」ということを意識しましょう。

次に、成功ポイント⑤「前転時に体の力を抜かない」です。これは成功ポイントというよりは、注意点です。前転時に体の力を抜くと、膝を鼻にぶつけて鼻血が出たり、鼻を怪我することに繋がるので、くれぐれもご注意してください。
最後に、簡単な練習法を紹介致します。壁で倒立を行い、そこから前転をする練習です。写真をご覧ください。









この練習は壁を使うことで、倒立がまだ一人で上がらない子でも、倒立~前転の感覚を掴める練習になると思うので、お家でも床に柔らかい素材のマットを敷くなどして練習を行ってみてください。
 
以上が、僕なりにまとめた「倒立前転」のポイントとなります。是非、参考にしてみてください。

久保田和貴