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スタッフブログ

2014.06.28
『人間力』
こんにちは。久しぶりのスタッフブログ、気を引き締めて(笑)頑張ります!
新年度が始まったな、と思っていたらもう6月ですね。年々、時間が過ぎるのが早く感じています。
体操競技もシーズンに入り、先日世界選手権の最終予選が行われ、来月の種目別選手権と合わせて今年の日本代表選手が決定します。体操に携わる私としては楽しみな時期になりました。

さて、今回のテーマは「人間力」について、スポーツ、体操教室と繋げて考えていこうと思います。

皆さんはソチオリンピックをご覧になりましたか?数々の名場面がありますが、私はフィギアスケートの浅田真央選手のフリー演技がしばらく頭から離れませんでした。あの演技を見て日本中、世界中の人達が感動して涙を流した!と報道されていましたが、まさに私もその一人です。ショートでの失敗を乗り越え、一つずつジャンプを決めていく姿に自分の感情を重ね、勝手に自分自身の事のような?お母さんになったような?複雑な心境になっていました。最後のポーズをした時にはとにかく心臓が高鳴りました。
その瞬間にこの強さは何だろう?この魅力はなんだろう?
まさにスポーツ選手の域を超えた「人間力」を強く感じました。
そこで浅田選手の持つ「人間力」はどんなものなのか?どうやって得たものなのか?を考え、「人間力」について考えてみようと思います。

「人間力」= 一人の人間として力強く生きていくための総合的な力
「人間力」= 学力やスキルだけでは量ることのできない人間としての総合的な魅力
「人間力」= 人が本来持っている感性を活かす力
「人間力」= 物事を客観的に考えることのできる力
「人間力」= 強い目的意識を持って行動できる力
「人間力」= コミュニケーション能力

「人間力」には様々な定義があるようですが、私の感覚に近い定義をいくつかあげてみました。浅田選手はこれらの人間力をパフォーマンス(演技)として観る人に伝えたのだと感じます。
高いパフォーマンス能力があるから人間力を表現できるのか、優れた人間力を持っているから高いパフォーマンスができるのか。長い間スポーツには携わってきましたが、浅田選手の演技を観て考えるきっかけになりました。

「ハイパフォーマーの問題解決力を極める」という本の中には「ハイパフォーマーは論理力と人間力をバランスさせている」と書かれています。
なぜ、ショートプログラムで失敗してしまったのか?どうすれば、これを立て直せるのか?論理的に考えることはもちろんですが、その部分と上記にあるような人間力とのバランスがハイパフォーマンス(成果)に繋がるのだとあります。
では、このような人間力を表現できるハイパフォーマーにはどうすればなれるのか?

本の中では、
先天的なものなのか、後天的なものなのか。私の見解は、先天的に多少の優劣やセンスの違いは持っているが、概ね後天的に育成されたものであると考える。すなわち“絶え間ない努力”によるものである。
世には「量質転化」という言葉がある。もともとは物理学の言葉のようであるが、まさに“正しい訓練”“正しい経験”を多く重ねることで、「ふるまい」「身のこなし」も洗練され、質の高いものへと変化していくといえる。
強くあきらめない「意志」さえあれば、みなさんも伝説の「ハイパフォーマー」になれるのである。

とされ、誰もがハイパフォーマーになれる、感動をあたえる人に値するとしています。

子供たちが何かを成し遂げる時、ここ一番のパフォーマンスを求められた時にどんな自分を表現していくのか?常に子供たちの今、そして将来像を頭に入れて接していく事が大切だと思います。

体操教室の中で伝えられる「人間力」を上げるための指導とは?
常に諦めない強い気持ちや強い意志を持つこと。
その瞬間、瞬間で正しいことを見極め、繰り返し伝えていくこと。
出来る喜びを感じること。
達成し自信を持つこと。
一緒に頑張っている仲間を応援する心。
まだまだ沢山あるかもしれません。
こういった小さな成功を積み重ねていくことで個々のもつ感性や能力の質を高め、魅力ある「人間力」を持てるように、感動の瞬間を大切にしていきたいと思います。

小川奏