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スタッフブログ

2017.07.28
『わかりやすさ』
こんにちは、藤岡修です。7月に入り、一気に気温が上がり暑い日々が続いていますね。体操教室は室内で行っていますが、脱水症状になることもあります。汗をかいた分、こまめに水分補給をするように心がけましょう。また、7月からは夏休みが始まると思います。色々な所に出かけたり遊んだりと楽しみがいっぱいですね。そんな中でもお家でゆっくりする日もあると思います。その時には、この前お配りしたスゴロクをやって身体をいっぱい動かしてね!


さて、今回のスタッフブログは「わかりやすさ」について書いていきたいと思います。このわかりやすさとは、練習する内容や回数、技のポイントや注意点などの説明が伝わりやすいかどうかのことです。わかりやすさについて書こうと思った理由は、さらに自分の良さにプラスできればと思ったからです。自分の良さは、教え方が丁寧だということです。例えば、壁に向かっての振り上げ倒立。振り上げ倒立は、壁に足がつくようにいっぱい振り上げることとマットを見て押すことがポイントです。それにプラスして「足を閉じて膝やつま先まで伸ばして」と伝えたり、補助をしたりします。この丁寧さにわかりやすさが加わるともっと子どもたちの技術向上に繋がると思い、「伝え方の教科書」という本を読みました。



この本の内容について少し書きたいと思います。
最初に「わかる」は、3つの段階からなります。
1.情報の内容を把握する
相手が何を話しているのか、内容と意味を理解すること。

2.情報の内容を納得する
相手が伝えたいことに「なるほど」と納得させること。

3.情報の内容を再現する
話を聞いた後に、自分1人で「こういう話だった」と頭の中で再現できること。

3つ目の自分1人で話の内容を再現できる、まで考えたことはありませんでした。また、再現できるまで伝えられているかと考えた時に自信をもって言い切れないと思いました。


次に「誰に」「何を」伝えるのか?が重要です。何をとは、結論のことを指します。何かを話すときには、結論を明確にしておかなければ内容を把握することはできません。また、結論には必ずその理由や具体例も必要です。理由や具体例がなければ、話の内容を納得させることができないからです。誰には、もちろん子どもたちに対してです。その相手に伝えたいこと(伝えるべきこと)は、子どもたち1人1人個性やレベルによって変わってきます。また、年齢によっては知らない言葉もあります。その子によって伝えたいことは変わってくるし、言葉も選ばなければわかりやすくは伝わりません。


次に、心像とスキーマという言葉があります。心像とは、言葉を頭の中でイメージすることです。心像には、人によって差が生まれてしまいます。例えば、携帯電話と言われた時にスマートフォンをイメージする人がいれば、折りたたみ式の携帯電話をイメージする人もいるということです。また、スキーマとはその人が無意識のうちにしてしまう、あるものの見方や考え方のことを言います。先ほどの例でも出てきた携帯電話と聞くと、メールやネットができると勝手に連想してしまいます。しかし、機種によってはメールやネットができないものもあります。この心像やスキーマが説明と異なれば、説明にズレが生じてしまいます。投げかける言葉や表現の仕方を相手によって調整、修正する必要があります。


そして、僕の中で1番難しいと思う情報を再現すること。これは、伝える側が記憶に残るように工夫をするほかありません。相手が記憶できる情報量に調整すること、重要なポイントと間違えやすいポイントを繰り返し説明すること。情報量が多すぎるとわかりにくく、何の話か分からなくなります。内容によっては、詳しく説明するよりもざっくり説明をして伝えた方が良いこともあります。また、重要なポイントと間違えやすいポイントを何度も繰り返し説明することで相手の記憶に定着させなければなりません。そうすることで相手の記憶に残ってくれます。


最後に最も重要なことがあります。それは、相手になりきることです。相手の目線に立ち、相手と同じ経験をしてみたりすることで相手と同じ世界にたつことができます。しかし、「相手にはなりきれない」という謙虚な気持ちを忘れないことも重要です。相手になりきることができたと思った瞬間からそれは自分自身であり、相手になりきる努力を辞めてしまうからです。


このようにわかりやすく伝えるには、いくつかのポイントがあります。「わかる」には、段階があることや言葉を頭の中で想像することまで考えて説明を調整、修正すること。相手に合わせて言葉を選び、記憶に残るように繰り返し説明をしたり、相手になりきることなどがありました。この本を読んでからは、説明の時に書いてあったことを意識するようになりました。今の言葉で伝わっただろうか、もし自分が相手の目線に立った時に今の説明でわかることができたかなどを考えるようになりました。このポイントを全部すぐに身につけることは難しいと思います。しかし、常に意識をもっていれば少しずつでも説明の仕方や言葉に変化が表れてくると思います。わかりやすい伝え方を身につけて、子どもたちにもっと身体を動かす楽しさや技術の向上などに繋がるように日々努力していきたいと思っています。