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スタッフブログ

2010.08.10
「子どもの体力低下」
今回は「子どもの体力低下」をテーマに考えました。
近年、子どもの体力低下は、問題視され、子どもたちに運動を促す活動やイベントが増えてきたように思います。

①何故体力の低下が進んできたのか?
・生活の利便性から身体を動かす機会が減少する。
・空き地の減少、生活道路などの子どもが手軽に遊べる「場所」の減少 
・室内遊びが増え、保護者や国民の中で「外で遊ぶ」という意識が低下する。
・治安の悪化
などが考えられると思います。
空き地が多い時代には、空き地の水たまりを跳び越えたり水たまりに自転車を置き  後輪で水しぶきを上げたりなど、「想像」しながら色んな遊びを考えて試すことが自然に出来ました。
環境が減少した現在では、保護者の方が身体を動かす意識や機会を家族全体に持つことが大切だと思います。

②体力が低下するとどんな支障が起きるか?
・体力低下は「気力」の低下にも繋がります、小さい時から色々な経験を積み重ねる
ことで将来の「生きる力」を蓄える準備になると思います。
・高血圧や高脂血症など生活習慣病に繋がる可能性が高くなります。
・自己の身体をコントロールする能力が低下します。

③自己の身体をコントロールする能力について
日本スポーツ振興センターの基本統計によると、保育所・幼稚園の保育時間と通園時間における負傷種類別発生割合は、挫傷(皮膚に傷がつかず内部組織や臓器に損傷が生じること)や打撲が多く、次に挫創・骨折・脱臼・切創(切り傷)その他の順で報告されています。負傷部位としては、頭部と顔部が上肢部と下肢部を上回っています。
これらの報告では、最近の子どもは転んだ時に手をつけない、転び方が下手になっているという傾向があり自分の身体をコントロール出来ていないことが分かります。
ではまず、自分の身体をコントロールできるようになる為には、子どもの時期によって どのような運動を行うことが必要か日本発育発達学会「子どもと発育発達論」から抜粋してみました。運動発達の特性を考えると、神経系の発育が著しい乳幼児期には運動を調整する能力を高めることが必要で筋力・持久力が成人の30~40%に達するのに対して調整力は成人の約80~90%に達するそうです。

④調整力系の動作を高める運動を体験する。(乳幼児期)
調整力系の運動とは
1)平衡性・・・姿勢を保つ能力でバランス感覚などと同義で、筋収縮を巧みにコントロールする能力 
2)敏捷性・・・素早く動ける能力
3)巧緻性・・・運動の際、身体を器用に動かす能力
4)協応性・・・個々の能力を一つの複雑な課題に統合する能力
上記が調整力を高める為に必要な能力になります。
また現場での、指示や助言についても強く投げるなど筋力を意識させる指示ではなく、「上手に投げる」や「色々な投げ方をさせる」など調整力系の能力を高めるような指示・助言を意識して行うことが良いと思います。

⑤基本的な運動技能(動作)の習得(幼児期)
・幼児期では、基本的な運動技能(動作)を習得する時期で、基本的な運動技能を量的にも、質的にも獲得することが大切な時期となります。
多種多様な運動遊びを十分体験することにより、基本的な運動技能を(動作)獲得します。
このように、子どもの運動能力を上げる為に、幼児期になるまでにも、たくさん運動経験をする必要があります。

⑥子どもが運動に夢中になれる環境作りを行う。
米田功こども体操教室でも教室の前に遊びの時間を設け、道具を使用し自発的に「遊びの中で」身体を動かし、色々な運動を経験する時間を設けています。
幼児クラスの時間では、ボールを使った遊びが多く、的に投げる・コーチに投げる
転がるフープに投げる、蹴るといった遊びが多く行われています。
こういった投げる動作では、体幹を締める、軸足に乗せるといった平衡性や相手やボールなど動いているものと自分の位置関係を正確に把握する能力(定位能力)のトレーニングになります。避ける動作になると、敏捷性や連結能力を高めるトレーニングになります。
年長クラス~小学生クラスになるとフープを使った遊びや、教室で使用する色んな形のBOXを並べ道を作りその上を歩くといったバランスゲームを自分なりに形を変え、アレンジして挑戦するといった遊びを行っています。
ボックス遊びでは、平衡性やバランス能力が高まり、危険回避能力も高まります。
危険回避能力とは、日常生活や遊びの場面における経験等を通して獲得される能力です。
2~3回のボックス遊びを実施しただけでも危険な箇所を察知して回避しようとする意識行動が見られます。
こうして、遊びの中で身体を動かすことに「夢中になり」色々な動作を子どもたちが体験し、感じたことや積み重ねたことを記憶の中に残していきたいと思います。


今回のブログは、本に頼り過ぎてしまい文章が難しい感じになってしまいましたが、本を読んで感じることは、まずスポーツがある環境に身を置くことが大事だということ。現在は、江古田教室とバディ豊洲で子どもたちの体操指導に携わっていますが、身体能力が上がったり、技が出来るようになったり心の成長であったりと、教育の場面や様々な場面で子どもたちの成長を毎回のように感じます。
こういった成長は、環境に身を置くことで経験出来ることです。
僕自身もっとたくさんの人に体操教室に習いに来てもらい、色々な経験を小さい年代から体験してほしいと思っています。
現在、江古田教室では入れないクラスもありますが、3期に向けた対策をスタッフで話し合い、クオリティの高い指導が出来る範囲の中で、たくさんの子どもたちに習いに来てもらいたいと思います。

中村 周平