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スタッフブログ

2019.01.31
『私たちは子どもになにができるか〜非認知能力〜』
2019年になり、もうすぐ2月になろうとしています。インフルエンザが流行っていますが皆さまは体調は大丈夫でしょうか。

私ごとですが去年の9月に第一子を出産いたしました。
妊婦生活中には多くの保護者の方に体調を気遣っていただいたり、出産の経験談を話していただいたり、とても励みになりました。
ありがとうございました。

自分が母親になるなんて、妊婦中も全然想像がつきませんでしたが、息子が生まれてからは家族や職場の先生方の協力のもと、息抜きしながら楽しく育児ができています。
改めて今いる環境に感謝しながら今年は育児も仕事も頑張っていこうと思います。



さて今回読んだ本は「私たちは子どもに何ができるか」という本です。この本は「非認知能力」を育むために必要なことが書かれてありました。

"非認知能力"とは
「ひとつのことに粘り強く取り組む力や、内発的に物事に取り組もうとする意欲を目指すこと」と示されています。

近年の教育現場では子どもがよりよい人生を歩むうえで"非認知能力"の育成に高い関心が集まっており、これまで重視されていたIQや学力などの"認知能力"よりも影響力が大きいことが明らかになりつつある。とこの本では伝えてあります。

ではこの"非認知能力"を育むためにはどのようにしたらいいのか。
「非認知能力は就学前に適切な環境と関わりを持つことが子どもたちの非認知能力の育成、ひいてはその後の人生にも決定的に重要な意味を持つとされており、そこで重要なのは親や周りの大人の関わり」と書かれてありました。

幼い時期に親が果たす決定的な役割は2つ。
1.「サーブとリターン」
幼児が音をたてる、あるいは何かを見る(これが「サーブ」)と、親は子どもの関心を共有し、片言のおしゃべりや泣き声に対し、しぐさや表情や言葉で反応することでサーブを打ち返す(これがリターン)。これはほかのどんな経験よりも発達の引き金となり、脳における感情、認識、言葉、記憶を制御する領域同士の結合を強固なものにする。

2.子どもたちが受ける圧力(よいものも悪いものも含めて)の外部調整装置となること

子どもが動揺しているときに、親が厳しい反応を示したり予測のつかない行動をとったりすると、のちのち子どもは強い感情をうまく処理することや、緊張感の高い状況に効果的に対応することができなくなる。反対に、子どもが瞬間的なストレスに対するのを助け、怯えたり癇癪を起こしたりしたあとにおちつきを取り戻すのを手伝うことのできる親は、その後の子どものストレス対処能力に大いにプラスの影響を与える。

このように書かれてありました。

またストレスが非認知能力の発達を妨げるようです。
ある研究と実験の結果が書かれてありましたので紹介します。

①.両親のあいだの暴力を伴わない口論が乳幼児の発達に与える影響を調べた研究

生後6ヶ月から12ヶ月の乳児を対象に眠っているあいだに、怒ったしゃべり方の声を録音して聴かせるのと、家庭環境の調査をした。実験の結果、家庭内で口論はほとんどないと答えた母親の子どもは怒声に対して比較的穏やかな反応を示し、家庭内で口論が頻繁に起こると答えた母親の子どもの場合、研究の画像上で感情、ストレス反応、自制に関わる脳の部位にはっきりと反応が見られた。

②.2000年代にロシアのサンクトペテルブルクで行われた実験

ポスト・ソビエト時代の社会や経済の崩壊により、ロシアでは多くの乳幼児が孤児院に入ることになった。子どもたちは充分な食べ物と衣類を与えられ、清潔なベッドや適切な医療や、オモチャさえ与えられた。けれども施設は厳しく、人間味に乏しいやり方で運営されており、スタッフが子どもたちに温かく接することがなかった。
その後、ロシアとアメリカの科学者のチームが、スタッフを心のこもった世話をするように教育した。
スタッフは食事や入浴のような毎日の世話を温かいやり取りの機会として捉えるよう推奨された。声をかけたり、笑みを向けたりといったたいていの親が本能的に自分の子どもに対してするようなことだ。それだけで9ヶ月後には認知能力や社会性の発達、運動技能に相当の伸びが見られた。

以上のように書かれてありました。

自分の普段の生活で考えると、起こり得そうな行動だと思います。特に②においては、住みやすい環境からのアプローチだけでなくコミュニケーションの重要性が分かります。また親以外の大人の、子どもたちへの関わり方も子どもの成長に大きく影響がでるのだと分かります。

米田功体操クラブにも未就園児のクラスがあり、たくさんの2.3歳児の子どもたちと関わる機会があります。
子どもたちにとっては初めての習い事、初めての場所、初めての集団生活、いろんな人の顔、さまざまな声や音など一気にいろんな事が頭の中に入り、いろんな意味で圧力となっていると思います。
心も身体も育つ大事な時期に指導者としていろんな子どもたちと関われることはとても貴重です。
影響力がある大人として、指導者として子どもたちにとってプラスになる関わりができるよう頑張っていきたいと思います。

またことわざで「 三つ子の魂百まで」という言葉をよく聞きますが、非認知能力の発達と共通する部分があると感じます。
脳は3歳ごろまでに急激に発達すると言われています。脳の前頭前野部分は脳の30%を占めており、前頭前野は感情をコントロールする働きがあるところです。就学時前の大人との関わりはとても大事ですね。

私も母親の立場になったので、子どもといれる時間はできるだけコミュニケーションを取りながら、子どもの成長と共に私も成長できたらと思います。

佐藤はやみ