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スタッフブログ

2020.04.28
『リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間』
こんにちは、藤岡修です。体調の方は大丈夫でしょうか。外出自粛の日々が続き、体調はもちろんですが、気持ち的な面でも大変かと思います。またみんなに会えるのを楽しみにしていますし、またみんなと一緒に体操をするのが待ち遠しいです。仕事ができることやみんなと一緒に体操ができていたことは幸せなことだったんだ、と改めて感じています。そんな中で本を読んで勉強しようと思い、「サービスを超える瞬間」という本を手にとりました。

この本を選んだ理由は、この前の短期教室の時に米田先生から「感動」についての話をしていただきました。また感動についての動画も観ました。その時に感動についてもっと学びたいと思い、この本を選びました。

この本は、ザ・リッツ・カールトンというホテルについて書かれてあります。リッツ・カールトンは、ホテル産業ではなくホスピタリティ産業と言われています。ホスピタリティとは、思いやりや親切心、心からのおもてなしという意味があります。これは、設備や技術ではなく、まさに心そのものを表しています。また、高い評価をされている最大の理由は、そこにあるとも書かれてありました。



◯どうすればお客様に感動を与えられるか
◯従業員が誇りと喜びを持てる職場環境とは何か
◯お客様が言葉にされない願望を先読みして満たすためのチームワークとはどういうものか

こうした企業の熱い情熱が根底に流れていなければ、ホテル産業を超えることはできないとあります。では、ホテル産業を超えるリッツ・カールトンについて、僕が目に留まったものをいくつかご紹介いたします。

■すべてのシーンに通じる「クレド』の精神

リッツ・カールトンの従業員は、クレド(信条)と呼ばれるカードを肌身離さず持っています。そのクレドに書かれている内容をご紹介します。

「リッツ・カールトン・ホテルはお客様への心のこもったおもてなしと快適さを提供することをもっとも大切な使命とこころえています。
私たちは、お客様に心あたたまる、くつろいだそして洗練された雰囲気を常にお楽しみいただくために最高のパーソナル・サービスと施設を提供することをお約束します。
リッツ・カールトンでお客様が経験されるもの、それは、感覚を満たすここちよさ、満ち足りた幸福感そしてお客様が言葉にされない願望やニーズをも先読みしておこたえするサービスの心です」

この内容を表すエピソード事例も一緒にありましたので、ご紹介します。

ビーチ係が、砂浜に並んだビーチチェアを片付けていました。そこに1人の男性のお客様がやってきて、こう告げました。「今夜、この浜辺で恋人にプロポーズしたいんだ。できれば、ビーチチェアを1つ残しておいてくれないか」
そのスタッフは、『喜んで』と言ってにっこりと笑い、ビーチチェアを1つだけ残しておきました。ここまでは、少し気のきいたホテルマンならば誰でもできることです。ところが彼は、椅子のほかにもビーチテーブルも1つ残しておいたのです。そしてテーブルの上に真っ白なテーブルクロスを敷き、お花とシャンパンを飾りました。またプロポーズの際に男性の膝が砂で汚れないように、椅子の前にタオルを畳んで敷いたのです。さらに彼はレストランの従業員に頼んでタキシードを借り、Tシャツに短パンといういつものユニフォームから手早く着替えました。手には白いクロスをかけ、準備を整えてカップルが来るのを待っていました。
お客様が言葉にされた要望は、ビーチチェアを1つ残しておくことだけだったのにもかかわらず。
サービスを超える瞬間というのは、お客様が言葉にされないニーズまでも十二分に満たされたときなのです。想像を一歩超えることによって、そこに思わぬ感動が生まれるのです。

●僕は、クレドの内容に共感しましたし、このエピソードを読んで驚きました!このテレビの中のようなエピソード、自分に置き換えた時にどれほど感動して感謝をして、一生の思い出になるだろうなと思いました。クレドは、どんな業態にでも通用するサービスの基本理念を示しているのがわかります。体操教室でもクレドは当てはまるのではないかと感じました。子どもたちひとり1人に合わせた内容や声がけ、そしてできた!をサポートすること。保護者の方の見えやすい位置に席をつくることや保護者の方も一緒に楽しめるような雰囲気づくりをすること。そして子どもたちがどうしたいのか、保護者の方のできるようになってほしいことなどを先読みすること。授業は1時間ですが、その中で教室全体で表現できればなと強く感じました。


■コミュニケーションからすべてが始まる

リッツ・カールトンの従業員は、お客様と同じ目線で、積極的にコミュニケーションを取りましょうという企業文化、風土が根づいています。日本のサービス産業のなかにはまだまだ、お客様は上の存在で、サービススタッフは下から仕えるもの、という認識が強く残っています。すると、お客様のほうでも敏感に壁を感じて、遠慮をされてしまいます。とりあえず何でも気軽に相談してアイデアを出してもらおうという信頼関係があると、お客様の心理的負担も軽くなります。また、お客様と従業員という関係は、ホテルに対しての信頼関係にまで高まっていきます。

●会話をする、というのはすごく重要なことだと改めて感じました。授業中は、みんなにやってほしいことが多く、説明や見本などで子どもたちとあまり会話をする機会がありません。質問などは、できるだけ聴くように心がけています。それでも今何を考えて、どう思っているか、体操以外の部分だったり、そういった会話はできていないなと思いました。また、保護者の方との会話でもやはり同じ目線では会話できていないなと思いましたし、同じ目線で会話すればいいんだと新しい発見でもありました。授業中に会話をすることは難しいかもしれませんが、授業の前後でもっと積極的にコミュニケーションをとっていこうと思います。


■ミスティーク(神秘性)は最高のおもてなしだ

リッツ・カールトンに泊まると、なぜか次々に驚くようなことが起きる。そうした体験をつくり出すことを「リッツ・カールトン・ミスティーク」と呼んでいます。ミスティークは、最初のクレドの時のプロポーズのエピソードのことを言いますが、このような大掛かりの形で起こるとは限りません。

◯このホテルを利用するたびに、いつも名前です声をかけられるんだ。VIPになった気分だったね。

◯私が泊まった時は"ボルヴィック"が常備してある。しかし、友人が泊まった時は"ヴィッテル"だった。私と友人の好みに合わせてくれているんだ。

◯ロビーでコンシェルジュに呼び止められ、美術館のパンフレットを差し出された。昨晩、夕食の時にウエイトレスの方にちょっと話しただけなのに。

リッツ・カールトンは、こうした小さな「あれ?どうして?」を非常に大切にしています。なぜなら、ミスティークは大きさに関わらず感動を引き起こすものであり、リッツ・カールトンでは、「感動はお客様への最高のおもてなしのひとつだ」と考えているからです。ホテルとしてミスのない百点満点のサービスをしても、お客様は「いいホテルだね」という評価をしてくださるだけです。そしてそのようないいホテルはリッツ・カールトン以外にもたくさんあります。リッツ・カールトンが目指しているのは、いいホテルという位置づけではなく、感性豊かなホテルという評価です。そのプラスアルファの部分を生み出す役割を果たしているのがリッツ・カールトン・ミスティークなのです。

●これは米田功体操クラブが目指しているものと同じだと共感しました。いい体操クラブで終わらず、その先のさらに魅力のある、また来たい、ここの体操クラブが好き!を目指しています。この文章を読んだ時に、ミスティークをつくるにはもちろんコミュニケーションが重要になってきます。例えば「この子はこの技のこのポイントが足りない、昨日膝を怪我して膝をマットにつけない、お母さんはポーズまでやってほしい、逆上がりができるようになってほしい」など、その情報をスタッフ間で共有すること、連携することでパーソナル・サービスが生まれると感じました。また、小さな「あれ?どうして?」を大切にして、積み重ねていきたいと思います。


■感謝されるサービスがブランドの価値を高める

ディズニーランドのリピーター率は、なんと90%以上を誇っています。まさに世界最強のブランドといってもいいでしょう。リッツ・カールトンが宿泊業ではないのと同じく、ディズニーは遊園地でも、テーマパークでもなく、訪れた人たちとそこで働くスタッフたちの"心の細胞を元気にするブランド"です。目指しているのはただひとつ。お客様に幸せになっていただくこと、つまり楽しい笑いがあふれるライフステージを提供すること。それを実現するのがディズニーマジックを生み出す、感性豊かなマジシャンたちなのです。
「市場のニーズをきちんと吸い上げてブランド戦略を立てよう」よく聞きそうな言葉ですが、この考え方には落とし穴があります。まず、市場にはニーズなどないということ。あるのはひとり1人のお客様のニーズと感性だけです。市場のニーズといった瞬間に、実はお客様の顔が見えなくなり、感性の交流が途絶える危険性があります。ディズニーとリッツ・カールトンの共通点は、ひとり1人のお客様に目を向け、つねに感性を磨くステージを提供しているという点です。お客様に「満足」していただく100%のサービスを超えて、「感動」を生み出すホスピタリティの舞台にステップアップするということです。リッツ・カールトンでは、ニーズの先にあるもの-----それを「お客様が言葉にされない願望やニーズ」と呼び、それを先読みしておこたえすることを使命にしています。お客様ご自身が想像すらしていなかったサービスを提供することで感動を引き起こす。また感動を持続させることで、さらに一段上の「感謝」へと進化していく可能性があります。またプロポーズのエピソードを例にとって見てみましょう。

◯不満‥お客様のニーズが満たされていない状態
(例) ビーチチェアが海水で濡れていて、砂がついたまま。

◯満足‥お客様のニーズが満たされている状態
(例) ビーチチェアが一脚綺麗に拭いて残されていた。

◯感動‥お客様の言葉にされないニーズが満たされている状態
(例) テーブルの上にはシャンパンとお花、膝をつくためのタオル、そしてタキシードに着替えたスタッフの出迎え。

◯感謝‥お客様の感動がその後も続く状態
(例) 毎年プロポーズ記念日にはスタッフから手紙が届く。また5周年、10周年には総支配人から招待状が届く。

このように、「満足」から、「感動」「感謝」のレベルを目指して初めて、サービスを超える瞬間がおとずれるのです。

●子どもたちや保護者の方が言葉にされない願望やニーズ、それを先読みすること。コミュニケーションから始まり、スタッフ間の連携もそうですし、自分たちひとり1人の意識が大切になってきます。もちろん、授業の内容や器具やモノを使って楽しく行うことも大切です。スタッフひとり1人が、子どもたちと保護者の方ひとり1人と向き合うことを意識できればさらにいい教室ができると感じました。また、感動の次の「感謝」までは考えたこともありませんでした。例を見た時に、ここまでされると言葉では表現するのが難しいですが、"もうめちゃくちゃ好きなところ"になっていると思います。正直ここまでできるかと言われるとはっきりとは言えません。それでもこの「感謝」のレベルがあること、そこを目指して色々な視点や感性を磨いていきたいと思います。


●最後にこの本を読んで、感動について多くのことを学ぶことができました。クレドの最初の部分で、教室全体でと表現をしました。それは、みんなが入ってきた時の挨拶から、授業までの遊んでいる時間、もちろん授業中もそして帰られるまで、全ての場面でホスピタリティを意識して表現したいと感じました。米田功体操クラブがディズニーランドみたいに、"また行きたい"や"元気になる"、"楽しい"と思ってもらえるような空間にしたい!と強く思いましたし、そうなれば面白いなーっとワクワクしています。コミュニケーションや目線、先読みすること、そしてひとり1人と向き合うこと、僕だけじゃなくスタッフ全員が意識して磨いていきたいと思います。
また、多くのことを学びましたが最後にこのように書かれていました。

◯今日も1日親切心を忘れないようにしよう、こんな気持ちを持って接するだけでも自然と行動に表れて、それが心からのおもてなしにつながっていくのです。

この気持ちを忘れずに進んでいきたいと思います。またみんなと体操できるのを楽しみしています!