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スタッフブログ

2013.10.23
『空中前回り』
皆さんこんにちは!今回のスタッフブログは、久保田和貴です!
ついに、長かった夏も終わり、季節は秋を迎えていますね。昼間は暑いですが、朝晩は寒いくらいです。季節の変わり目、体調管理は十分にお気を付けください。
さて、今回のスタッフブログは、鉄棒の「空中前回り」です。前回、はやみ先生が書かれたスタッフブログ「空中逆上がり」の反対バージョン、前に回る技ですね。それでは、僕が考えた、「空中前回り」を成功するためのポイントを紹介していきたいと思います。

まず、成功ポイントをまとめました。
①「回転時、腕をしっかり押す(肘を曲げない)」
②「回転時は前(遠く)を見て、大きな円を描く」
③「一気に背中を丸くする(膝を見る)」

次に、失敗ポイントをまとめました。
①「回転時に腕が押せてない」
②「回転時、すぐに下を見に行く」
③「背中が丸くなっていない」

以上の成功ポイント、失敗ポイントを、写真を交えて説明していきたいと思います。

まず成功ポイント①「回転時、腕をしっかり押す(肘を曲げない)」の状態を説明していきます。こちらです。



この状態が、腕をしっかり押せている状態です。ここで言う「押せている」という状態は、「しっかり腕に力が入っていて、肘が伸びている、自分の体重を腕で支えている」状態のことです。この状態が、空中逆上がりにせよ、空中前回りにせよ、鉄棒において基本的な姿勢となります。
反対に、失敗ポイント①「回転時に腕が押せてない」状態がこちらです。



この状態が、腕が押せていない状態、つまり「腕に力が入っておらず、肘が曲がっている、自分の体重が支えられていない」状態です。回転時に、しっかり腕を押せている状態でなければ、空中前回りに必要な回転力が十分に作れません。まずは回転時、基本の姿勢である「押せている」状態を、しっかりと作りましょう。
 次に、成功ポイント②「回転時は前(遠く)を見て、大きな円を描く」と、失敗ポイント②「回転時、すぐに下を見に行く」の状態を、同時に説明していきます。分かりやすく説明していくので、成功ポイント、失敗ポイント共に、次の連続写真をご覧ください。まずは成功ポイント②「回転時は前(遠く)を見て、大きな円を描く」の連続写真です。









次に、失敗ポイント②「回転時、すぐに下を見に行く」の連続写真です。









以上が、成功ポイント②「回転時は前(遠く)を見て、大きな円を描く」と、失敗ポイント②「回転時、すぐに下を見に行く」のそれぞれの状態となります。
基本的に、空中前回りは、前半の前に倒れる部分で「いかにスピードをつけられるか」が成功の鍵になります。前半でつけたスピードが、後半の体の上昇に大きく繋がってくるからです。つまり、いかに回転の円を前半大きく作れるか、というところが大切になっていきます。回転の円を大きく作れれば、それが後半の上昇に繋がります。回転の円を大きく作るためには、前に倒れるとき、背筋が伸びていた方が大きな円を描くことが出来ます。そのための、成功ポイント②「回転時は前(遠く)を見て、大きな円を描く」なのです。大切なのは、常に目の前の景色を見て回転をかけることです。前に倒れていくときに、顔を下に向けるなどして、目線を動かしてはいけません。常に背筋から顔の角度を一定に保ち、目の前に流れていく景色だけを見てください。そうすれば、自然と背筋が伸び、大きな円を描きながら前に倒れることが出来ると思います。「前を見る」、という表現で難しい場合は、「遠くをみる」という意識で前に倒れていくと、感覚的に分かりやすいと思います。
反対に、失敗ポイント②「回転時、すぐに下を見に行く」の状態になってしまうと、上の2つの連続写真を見比べても一目瞭然だと思いますが、背筋が曲がって、大きな円が描けません。腕も必然的に曲がってしまい、尚更です。前に速く回転させたいがために、急いで下を見て、勢いをつけようとしがちなのですが、そうすると小さい円になってしまい、スピードもつかず、最終的には最後の写真のように、体が下に落ちてしまいます。つまり、空中前回りの成功には繋がりません。なので、回転時は必ず、「前(遠く)を見て、大きな円を描く」ことを意識してください。

最後に、成功ポイント③「一気に背中を丸くする(膝を見る)」を説明していきます。まずは写真をご覧ください。



この状態が、成功ポイント③「一気に背中を丸くする(膝を見る)」の状態です。前半に描いた大きな円で作ったスピードを利用して、後半体が上昇するタイミングで一気に背中を丸くし、上半身と下半身で鉄棒を挟む形を作ります。前半で作ったスピードを後半一気に畳み込むイメージです。ここで言う後半とは、頭が鉄棒の真下を通過する直前のことです。膝を見る、という意識で畳み込む動作を行えば、写真のように鉄棒を挟む状態を作ることが出来ます。畳み込むとき、上半身が鉄棒より前に乗り出すくらい、思い切り丸くなって小さくなりましょう。このとき、一瞬肘が曲がってしまいますが、スピードの余力で体は上昇しているので問題はありません。
あとは、一瞬緩んだ肘を一気に押しにいけば…



また元の位置に体が戻ってきます。これで、空中前回りの完成です。

反対に、失敗ポイント③「背中が丸くなっていない」状態がこちらです。



これでは、背筋が伸びたまま、鉄棒を体で挟めていません。膝も見ていません。こうなってしまうと、この後…



こうなります。せっかく前半で作ったスピードも、台無しです。ただ勢いがついただけで、そのスピードが重力に伴い一気に下に落ちてしまいます。つまり、前半スピードをつけた分、後半一気に丸くなる動作、肘を押して元の状態に戻ってくる動作を一瞬で行わなければ、そのスピードを上手く利用することが出来ないのです。なので、後半の動作の素早さも重要になってきます。とにかく、前半のスピードを無駄にしないためにも、後半は「一気に背中を丸くする(膝を見る)」という動作を意識していきましょう。

最後に、空中前回りの成功までの連続写真を、今説明したポイントをイメージしてご覧ください。















以上が、僕が考えた「空中前回り」の成功ポイントです。参考にしてみてはいかがでしょうか。
久保田和貴